どの街が住みやすいか分かる!立地適正化計画
これから住宅を購入しようとしている方が住むエリアを選ぶうえでの、重要なポイントの一つに、そのエリアが今後も住みやすく発展性のある地域なのかということがあると思います。
5年単位、10年単位で住宅を買って、売って、賃貸のように「あっちの街へ引っ越そう」と気軽に何回も引っ越しはできないですので、重要なポイントですよね。
これから発展性のある地域とそうでない地域の分け方は、平成30年8月に国土交通省で法改正された「都市再生特別措置法」に基づく立地適正化計画によってある程度見えてきました。
立地適正化計画って何?
人口減少、高齢化が進む中では、医療・福祉施設、商業施設や住居等がまとまって立地していて、公共交通機関でこれらの生活施設へアクセスできたほうがより便利ですよね。
そこで、福祉や交通なども含めて都市全体の構造を見直して、行政、住民、民間業者が一体となってコンパクトな街づくりを目指していきましょう。ということになったわけです。
こんな街がイメージされています。
国土交通省「都市再生特別措置法」に基づく立地適正化計画概要パンフレットより
濃い水色の中にある駅を中心とした居住誘導区域に住民を集めて、医療、福祉、商業施設も駅を中心に集めようということですね。
濃い水色の地域に人が移動してくれば、それ以外の地域は少しづつ取り残されるようなイメージはぬぐえません。
計画では以下のようなことを目指していきます。
・拠点間を結ぶ交通サービスの充実
・拠点エリアへの医療、福祉等の都市機能の誘導
・公共交通沿線への居住の誘導
・歩行空間や自転車 の整備利用環境の整備
・コミュニティバス等による(支線)輸送
・型乗合タクシー等の導入
人口減少が進んでくれば、人口の少ない地域にまで交通インフラを十分に備えることが現実的には難しくなってくるでしょう。
2、3年のうちに急激に計画が進むことはないですが、10年、20年という長い目で見れば、考えざるおえないことです。
自分が今、住宅を購入しようしている地域はどういう計画になっているのか知っておく必要はあると思います。
自分の住んでいる地域の計画は?
国が創設した立地適正化計画を活用して実際にまちづくりを進めていくのは各市町村です。
そして県が各市町村の調整を図る役割を果たすことが期待されています。
では、実際の市町村の計画はどのような内容になっているのでしょうか。
名古屋市の例ではこのような計画になっています。
名古屋市「なごや集約連携型まちづくりプラン」より
図の色分けで3種類の地域に分けられます。
名古屋市「なごや集約連携型まちづくりプラン」より
「拠点市街地」と「駅そば市街地」を基本に「都市機能誘導区域」として、施設を誘導していく計画のようです。
誘導する施設は・・
・劇場、多目的ホール、博物館などの⽂化・スポーツ交流施設
・大学、ホテル、イノベーション施設、教育・医療・保育施設などの国際・産業交流施設
・児童館、福祉会館などの⼦育て・⾼齢者交流施設
・⼀般病床200床以上の拠点的な医療施設
・区役所
・まちの魅⼒や利便性の向上に資する施設
・地域のための備蓄倉庫など災害対策に資する施設
かなり充実した施設が誘導されますね。
考え方にもよりますが、これだけの施設が近くにあるのとないのとでは生活の質の部分に大きな差が生まれますので、見逃せない点です。
また、「拠点市街地」、「駅そば市街地」、「郊外市街地」を基本に「居住誘導区域」として市民の居住を誘導していく計画のようです。
このような計画があることを知れば、自分が住もうとしている地域が将来、どのうなっていくのか気にせずにはいられないですよね。
立地適正化計画のまとめ
人口減少、高齢化が進む中では、都市のコンパクト化の動きはますます加速していきそうです。
自動運転などのテクノロジーの発達には期待できますが、交通インフラの充実度も地域によって、どうしても差は出てきてしまうでしょう。
こうなると住みやすさだけではなく、不動産としての価値にも地域によって差が生まれることも予想されます。
現在でも、駅近の物件については周辺の物件に比べて値段が高くなる傾向にありますが、政策として都市コンパト化を目指すとなると、益々駅近の物件の価値が高まることも考えられます。
平成30年8月31日時点では420都市が立地適正化計画について具体的な取り組みを行っていて、このうち、208都市が平成30年12月7日現在、計画を作成または公表しています。
市町村の都市計画課に身内でもいない限り、このような情報を自然と見聞きする機会は少ないと思います。
自分で情報を集めて調べるしかありません。
自分が今後住もうと思っている地域はどのような計画があるのか、下のリンクから都市のリストを見れます。
リストに名前が載っているが具体的な取り組み内容を公表していない都市については、市町村のホームページを見てみるか、直接問い合わせてみてください。
具体的な取り組みを行っている468都市(平成31年3月31日現在)
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