注文住宅用の土地を買う場合のポイント。これから土地探しがより難しくなる!?

私が住宅メーカーに勤めていたころ(20年前)にくらべて、住宅はすごく高くなったなと感じます。
20年前であれば予算2千万円で注文住宅を建てたい!というお客様もいたぐらいですが、今ではとても無理な金額です。
住宅部材や人件費が高騰していることが、家の価格が高くなっている原因なのですが、これが注文住宅用の土地探しにも影響をおよぼしてきています。
注文住宅から建売・規格住宅へのシフト
住宅のコストが上がると、住宅メーカーは利益を確保するためにより経営の効率化を求められます。
そこで住宅メーカーが考えることは、注文住宅から建売や規格住宅へのシフトです。
大手のハウスメーカーでも注文住宅から建売や規格住宅へシフトしていくと経営方針の変更を明言しているところもあります。
一般的に、注文住宅は建売や規格住宅にくらべて人件費や部材のコストが高くなりますので、よりコストのかからない建売や規格住宅に力を入れていこうとする住宅メーカーが増えるのも自然なことかもしれません。
注文住宅と異なり、建売住宅を建てるためには住宅メーカーも土地を仕入れなければなりません。
需要のある土地をどれだけ仕入れることができるかで、建売が売れるかどうかが決まってくるわけです。
建売を建てる住宅メーカーが増えれば、それだけ土地の仕入れ競争が激しくなってきます。
駅近好立地の土地などは特に需要の高いエリアなので多くの住宅メーカーも狙っています。
場合によっては、新築マンションの開発業者が狙っているエリアと重なる場合もあるでしょう。
ネットなどで土地を探していても、立地の良い土地は建売の住宅メーカーがすでにおさえてしまっているということもよくあることです。
例えば、古家が建っている駅近200坪の土地を建売の住宅メーカーが仕入れて、4~6戸の土地に分けて建売販売するということはよく目にします。
200坪の好立地の土地があっても多くの方はなかなか手が出せない予算ですので、広い土地でも手を出せる住宅メーカーは土地探しにおいても有利な立場といえます。
これから土地を買って注文住宅を建てたい方は、ある意味、建売を建てたい住宅メーカーやマンション開発業者と競い合って土地を探さないといけない状況にあります。
これから注文住宅を建てたい方が土地探しをするためのポイント
自分が理想とする土地の条件は色々あると思います。
駅からの距離、広さ、間口の広さ、土地の形、道路の方角、道路との高低差、周囲の環境、地盤の固さ・・etc
なかなかこれらの条件がすべて整った土地というのは存在しないでしょう。
より土地探しが難しくなる中においては、自分がどうしても譲れない条件をいくつか絞って探すのがより早く土地を見つけられるポイントです。
開発土地も有力な選択肢のひとつです。
開発土地は山林になっている土地を重機などで切り開き、整地し、住宅用の土地として売りに出される土地のことです。
建築条件などがついていない土地もありますので、注文住宅を建てたい方には候補になるでしょう。
建売の住宅メーカーが手を出さない間口狭小や変形の土地を安く購入して、その分建物にお金をかけ、設計の工夫で住みやすい注文住宅を建てるというのも一つの選択肢になるかもしれません。
投稿者プロフィール

- 住宅不動産コンサルタント/1級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引士
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株式会社ライフオブライフ代表。
住宅相談を専門とする住宅不動産業界歴26年のファイナンシャルプランナー。買う方の立場に立った「住宅コンサルティング」「将来家計のサポート」を行う
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