最近の住宅ローン金利の動き

2024年6月以降、複数の主要銀行が固定型の住宅ローン金利を引き上げています。

10年固定金利型の住宅ローン金利については、主要銀行で約0.06%から0.1%の引き上げがありました。

固定金利が上昇している背景として、日本銀行が国債の金利上限を引き上げた影響があり、長期金利が上昇していることが挙げられます。

一方、変動金利型のローンについては短期金利が影響するため、大きな変動は見られず、一部の銀行では若干の金利引き下げが行われていて、固定金利とは逆の動きもみられていました。

ところが!・・先日、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクが今年の秋以降に変動金利の引き上げを予定しているとの報道がありました。

ネット銀行では先行して変動金利を上げていましたが、ついにメガバンクもかという感じです。

今後はメガバンクの動きに応じて、地銀なども変動金利を上げてくることも予想されます。

すでに住宅ローンを借りている人の内、変動金利を選択している人は7割といわれています。

ですので、これから家を買う人だけではなく、すでに住宅ローンを借りている人にも変動金利の上昇は影響は少なくありません。

変動金利の動きには注視していきたいですね。

最新の住宅ローン減税

住宅ローン減税については、2025年までの適用が延長されており、年末残高の0.7%が所得税や住民税から控除される仕組みになっています。

ただし、減税の適用期間や控除額の上限は、住宅の種類や購入時期によって異なります。

また、一定の条件を満たした良質な住宅に対しては、より有利な条件での控除が適用されます。

住宅ローン金利を選ぶ際の注意点

固定金利と変動金利の比較

固定金利は返済期間中の金利が一定で、将来の金利上昇リスクを避けられる反面、変動金利に比べて金利が高めに設定されることが多いです。

一方、変動金利は初期金利が低い反面、将来的に金利が上昇するリスクがあります。

金利上昇のリスク

日本銀行の金融政策や経済状況によって、今後さらに金利が上昇する可能性があります。

特に、長期的なローンを組む場合には、将来的な金利上昇リスクを考慮して、固定金利を選ぶか、変動金利を選ぶ場合でも金利上昇時の返済額に耐えられるかを慎重に検討する必要があります。

減税制度とのバランス

住宅ローン減税を最大限に活用するためには、減税されるローン金額の上限まで借りることです。

ただし、金利が高くなると返済負担も増すため、減税によるメリットと金利によるコストのバランスを見極めることが重要です。

まとめ

4年ぐらい前は低金利でしかも、住宅ローン減税が現在よりも手厚かったので、とにかく「無理のない範囲で住宅ローンを上限まで借りる」ことが最適策でした。

そんな時代も終わって「金利のある時代」に入り、より慎重に住宅ローン金利の選択と将来の金利の負担を事前にシミュレーションすることの重要性が増しているように感じます。

これらの点を踏まえ、自分のライフプランや経済状況を見極めることが大切です。

家を買おうとするときは、新しい生活を思い描いて希望にあふれている時期かと思います。

そんなときに売る時のことも考えている人はほとんどいないでしょう。

数年後に転勤が決まっているが今どうしても家を買いたい。という人は売る時のことも考えているかもしれませんが少数派です。

今日は新しく家を買おうとするときに、同時に売る時のことも考えたほうがいいですよ。という話です。

家を買う時は「家計のバランスシート」で考える

バランスシートという言葉は会社の会計などで使われるもので、貸借対照表ともいわれます。

バランスシートは一般的に会社の財務状況を表していて、これを見れば会社のお金の状況がよく分かります。

このバランスシートは家計にも使えます。

家計をひとつの会社と考えて資産の状況を表してみると、色々なことが見えてきます。

例えば、Aさんが住宅を買う前と買った後のバランスシートを比較してみます。

Aさんは1,000万円の貯金がありましたが、後々の生活のことを考えて貯金を使わずにフルローン5,000万円で家を買いました

資産/負債住宅購入前 住宅購入後
資産(預貯金、不動産)1,000万円5,000万円
 負債(住宅ローン)0-5,000万円
純資産1,000万円 0

住宅購入後の資産の内訳は

預貯金1,000万円+不動産4,000万円=5,000万円 となりました。

ん?ちょっとまって5,000万円借りて5,000万円の家を買ったのだから・・

預貯金1,000万円+不動産5,000万円=6,000万円 でしょ!と思う人も少なくないでしょう。

実は・・消えた1,000万円は不動産価値の値下がり分なのです。

5,000万円で買ったはずの家がなぜ4,000万円になるの?と思われる方も少なくないでしょう。

でもこれが現実になる場合もあるのです。

フルローン5,000万円で買った家の価値は5,000万円にはならないと思ったほうが良いです。

5,000万円には住宅ローンの諸費用や登記費用などの諸経費も含まれますので、その分は価値から差し引かれます。

さらに、一般的に新築の家は買って住んだ瞬間に2割価値が下がるともいわれます。

(※希少価値の高いエリアの物件などは価値が下がらないこともあります。)

フルローン5,000万円で買った家を売ろうと思ったら4,000万円でしか売れない・・ということも現実にあるのです。

このように家を売っても1,000万円の住宅ローンが残ってしまうことにならないように、売る時の価値も考えたほうが良いのです。

特にフルローンで買う場合は、このバランスシートの考えを取り入れてみてください。

純資産が大きくマイナスになる場合は、予算や物件選びをじっくり考えなおしたほうが良いかもしれません。

ライフプランって何だと思いますか?

ライフプランを作るうえで意味を知っておくことはすごく重要だと思っています。

意味をしっかり知ったうえで作成するのとしないのとでは、ライフプランの価値が全然違ってきます。

たまに「将来なんて分からないからライフプランって意味ないよね。」という意見もみかけますが・・

将来が分からない方こそライフプランを作ってください!といいたい。

たまに勘違いをされるのですが、ライフプランは「完璧に近い未来の予言書」ではありません。

1万円単位まで未来のお金の増減を予測して、完璧なものを作ることは当然不可能です。

完璧な未来の予言をしようとすると意味を見失ってしまいます。

人生は予期しない出来事の連続ですので。

ライフプラン通りの人生になるほうが少ないといってもいいかもしれません。

それでもライフプランは意味があります。

ライフプランの重要な意義は、いくつもの人生(お金の動き)を試算できることだと思っています。

人生が曲がりくねった1本のレールだとすると、ライフプランではそれを何本もシミュレーションすることができます。

こっちのレールはどうかな?

あっちのレールはどうかな?

この人生のいくつもの可能性を考える作業自体が、ライフプランの大きな意義です。

それこそ10通りでも20通りでも考えることが出来ます。

あまりたくさんやりすぎるのも混乱するのでお勧めはしませんが。

いくつかのライフプランを比較する中で気づきが得られると思います。

自分が気づけなかった人生の可能性も発見できるかもしれません。

住宅購入時のライフプランの意味

住宅に関していうと、人生で最も大きな買い物といっていいと思います。

言い換えると人生で最も大きなお金が動くときです。

家を買う前と、買った後では家計の内容がまったく変わってきます。

まず、住宅の頭金を出せば金融資産は減ります。

住宅ローンを借りればその返済が加わりますし、固定資産税、維持管理費を含めた費用も見込んでおかなくてはいけません。

様変わりした、家計の新たなスタートになるのです。

お金のことだけでいえば新たな人生の仕切り直しともいえるかもしれません。

その新たなスタート時点でライフプランを作っておくことが、その後の人生で重要な意味を持ってきます。

新たなスタートからどんな人生を描けるのか、ぜひ楽しみながらいくつものライフプランを作ってみて欲しいと思います。

年の瀬となりましたがみなさん良い年末をお過ごしでしょうか。

2週間ほど前に2024年度の税制改正大綱が発表されましたので、住宅購入に関係する重要なポイントだけ解説したいと思います。

来年から住宅購入したいなと思っている方に参考にしていただければと思います。

住宅ローン控除の改正(子育て世帯の控除拡充)

子育て世帯の控除拡充

まず、子育て世帯の対象は?というところからですね。

今回の対象は「夫婦のいずれかが40歳未満または19歳未満の扶養家族がいる」が条件となります。

この条件に当てはまる人だけ、控除になる借入限度額が上乗せされます。

床面積要件の緩和措置

2つめの改正ポイントは、床面積要件を40㎡以上とする緩和措置についての変更です。

2023年までとされていましたが1年延長され、2024(令和6)年12月31日以前に建築確認済みの新築住宅が対象とされます。

国土交通省資料より

2025年以降も子育て世帯の控除になる借入限度額の上乗せが続くかは未定です。

2025年以降に住宅購入を考えている人は2025年以降の税制改正も要チェックです。

住宅取得資金贈与の非課税措置の延長

父母や祖父母などから、住宅の新築・取得又は増改築等のための資金を贈与により受けた場合に、一定額までの贈与につき贈与税が非課税になる制度です。

適用期限の延長

2023年12月31日までとされていた期限が、3年延長されて2026年12月31までとなりました。

省エネ等住宅の条件見直し

省エネ等住宅の場合に非課税で贈与できる金額:1000万円

その他の住宅:500万円

上記のように住宅の性能によって非課税で贈与できる金額が変わる制度なのですが、「省エネ等住宅」の家屋の条件が見直しされました。

改正前:断熱等性能等級4以上 又は 一次エネルギー消費量等級4以上であること

改正後:断熱等性能等級5以上 かつ 一次エネルギー消費量等級6以上であること

つまり、断熱性能、エネルギー消費性能ともに省エネ住宅の条件がより厳しくなったということです。

今後、より環境に配慮した高性能な住宅を増やしていきたい国としての方針が見えてきます。

2024年税制改正大綱のポイントまとめ

これから住宅購入を検討する人にとって影響が大きいポイントのみ絞って解説しました。

国の方針として、子育て世帯への支援は住宅購入の場面でこれからも続いていくものと予想します。

自分が使える制度なのであれば積極的に使っていくことで住宅購入時に小さくない金額の差が生まれます。

最新の情報にアンテナを立てて使える制度なのか見極めていきましょう。

それでは良い新年をお迎えください。

フラット35で子供の人数に応じて、一定期間金利を引き下げる【フラット35】子育てプラスが新設されました。

2024年2月13日以降の資金受取分から適用できますので、来年以降に住宅ローンを借りて家を買いたい方の選択肢の一つになると思います。

1つ目の変更は、これまで住宅の性能等によるポイント加算だったのが、子供の人数によっても金利引下げポイントが加算されるようになったことです。

2つ目の変更は利引下げ幅を従来の最大年▲0.5%から最大年▲1.0%に拡充されたことです。

1ポイントにつき5年間で年▲0.25%の金利引下げとなります。

新設【フラット35】子育てプラスで試算してみました。

例えば子供2人の家族がZEH(ゼッチ住宅)を買う場合で考えてみます。

(ZEHってなに?と思った方はこちらの記事も参考に⇒「名古屋市で受けられる新築住宅の補助金について」)

【フラット35】子育てプラスで2ポイント

【フラット35】S(ZEH)で3ポイント

合計で5ポイントになります。

1ポイント年▲0.25%なので

まず4ポイントを使うと年▲0.25%×4=▲1%になります。

これで5年間▲1%がゲットできました。

4ポイントで年間最大▲1%に達しましたが、まだ使ってない1ポイント残ってますね。

このポイントは6年目~10年目の金利引き下げに使えます。

残り1ポイントなので、6年目~10年目の金利が▲0.25%されます。

結果をまとめます。

1年目~5年目まで▲1%(4ポイント分)

6年目~10年目まで▲0.25%(1ポイント分)

となります。

改正前と改正後でどれだけ返済額に差が出るのかも試算してみたいと思います。

改正前は【フラット35】S(ZEH)のみの3ポイントとなりますので以下のような金利引き下げとなります。

1年目~5年目まで▲0.5%

6年目~10年目まで▲0.25%

借入3,000万円、通常金利1.91%で試算

【フラット35】S(ZEH)の総返済額

40,003,935円

【フラット35】S(ZEH)と【フラット35】子育てプラスの総返済額

39,201,932円

差額

802,003円

【フラット35】子育てプラスのまとめ

結果として、子供が2人いる場合に【フラット35】子育てプラスを利用すると、80万ぐらいの金利メリットがあることが分かりました。

(今回は、借入3,000万で【フラット35】S(ZEH)と【フラット35】子育てプラスを併用する場合の試算ですので、異なる条件の場合は個別に計算が必要ですのでご注意ください。)

家を買うと引っ越し前、引っ越し後にも色々とお金がかかります。

80万円あれば家具を買ったり、引っ越し費用に充てたりもできます。

子供がいるご家族にとってはより魅力的な制度になったと思いますので、検討の余地はあるかと思います。

ただ変動金利との差がまだまだ大きいので、フラット35を第一候補とする人はまだまだ少ないかなというのが正直な感想です。

住宅を買う場合、手元の貯蓄が少ない人は頭金を1割ぐらい出すか、ほぼフルローンという選択になることが多いです。

選択肢は限られているので頭金と住宅ローンの割合で悩まされることも少ないかもしれません。

一方、貯蓄が比較的多い人は頭金と住宅ローンの割合で悩むことも多いかと思います。

このように悩んだ時の、おおまかな考え方についてご紹介したいと思います。

将来の生活費、教育費、老後資金の予測

今ある貯蓄のどれだけを住宅購入の頭金に使ってよいのか決めるために、「将来にかかるお金」の予測は必ず必要になってきます。

住宅購入資金として貯蓄を使って減らしたとしても、将来の生活が成り立つのかの試算・予測は大事なことです。

この試算を行わずに将来のお金が足りなくなった結果、カードローン・マイカーローン・教育ローンなど他のローンを組まなくてはいけなくなった・・という状況も起きてしまうかも。

計画的なカードローン・マイカーローン・教育ローンであれば、それが悪いとは一概にはいえません。

ただし、住宅ローン金額を減らし、将来に必要な貯蓄を住宅購入の頭金に使った結果、お金が足りなくなり住宅ローンより金利の高いローンを借りないといけなくなるというのは本末転倒ですよね。

このようなことが起きないためにも、「将来にかかるお金」の把握は必要なのです。

貯蓄を住宅購入の頭金にするか。運用で増やすか。

例えば、4千万円の住宅購入資金が必要だとします。

・住宅ローンで4千万円借りる

・自己資金から4千万円出す

貯蓄はあるので、住宅ローン、自己資金どちらも選べるとします。

あなたならどちらを選びますか?

この選択は、資産運用の知識と経験があるのかどうかで変わってきます。

資産運用の知識と経験があり、その結果に自分自身で責任を持てるとすれば、あえて住宅ローンを借りる選択もありです。

あえて、自己資金を住宅購入に使わずにそのお金を運用で増やすという考え方です。

例えば、住宅ローン35年1.9%の金利がかかるとします。(話を単純化するために諸費用、住宅ローン減税等は考慮しないものとします。)

4千万円を35年返済で借りた場合の金利総額は約1,480万円です。

かなりの金利ですね。

住宅ローンを借りたので、使わなかった手元の自己資金4千万円を年率1.9%複利で運用したとします。

35年後に4千万円は約7千729万円に増えます。

約3,729万円の増加です。

住宅ローンの金利1,480万円を払ったとしても、2,249万円のプラスです。

運用が比較的うまくいった場合でシミュレーションしていますので、もちろん運用がうまくいかない場合もあるでしょう。

資産運用の手段と結果には自己責任が伴いますので一つの可能性としてお考え下さい。

頭金の額で迷った場合の考え方のまとめ

頭金の額を決めるときには、まずは「将来にかかるお金」についてしっかり試算してみましょう。

「将来にかかるお金」はしっかり残して、無理のない頭金を設定することができます。

また、自己資金に余裕のある人は、住宅ローンをあえて借りて、使わなかった自己資金を運用で増やすという手段も検討してみるとよいかもしれません。

3Dプリンター住宅は3Dプリンティング技術を用いて建築物を製造する新しい建築手法で、短工期、低コスト、デザインの自由度、持続可能性、などの面でメリットがあるといわれています。

海外では日本円に換算して100万円以内で建てられる3Dプリンター住宅もあるようです。

デメリットもあって、現在の日本では建築基準法に適合する3Dプリンター住宅が少ないことがその一つです。

また、一般的な住宅用の火災保険が利用できないので、自然災害などの心配はどうしても残ります。

でも、そんなデメリットも少しづつ解消されつつあるようです。

最近、大手損害保険会社が3Dプリンター住宅に火災、風災、水災などによる損壊を補償内容とした1年補償をつけることが発表されています。

1年補償ではまだまだ安心できないという人が大半だと思いますが、1年でも保険の補償がついたことが大きな1歩だと思います。

3Dプリンター住宅の普及に伴いこれからさらに保険の補償内容も充実してくるのではないでしょうか。

日本国内の建築基準法に合う3Dプリンター住宅の開発が進み、保険による補償も充実してくれば一気に普及する可能性を秘めていると個人的には思いますがどうなるでしょうか!?

住宅ローンを借りなくても家を買える未来

日ごろ住宅ローンの相談などをお受けしている立場ではありますが、住宅ローンを組まないか、もしくは最小限の住宅ローン借り入れで多くの人が家を買えるような未来が来ればいいなと真剣に思っています。

もちろん、今ある住宅ローンが悪というわけではなく、現在の社会で住宅購入の大きな助けになっていることは事実です。

多くの人が住宅ローンのおかげで家を買うことができています(私を含めて)。

それでも「住宅ローンを組まずに家を買える未来」を望むのは、住宅ローンを組まずに家を買うことが出来れば、人生の選択肢がより増えるのではないかと思うからです。

住宅ローンを借りた場合のライフプランを作成していると、ローン金額が多くなるにしたがって、家計に与える影響は大きくなるのがよく分かります。

住宅ローン借り入れがゼロとまでいかなくても、半分になるだけでも家計に与えるプラスの影響はとても大きなものです。

もし、住宅購入の費用が今の4分の1ぐらいになり、浮いた予算を人生の他の楽しみに使えたらより幸せではないでしょうか。

もし500万円で新築の家が建てられたら・・なんていう未来を想像するのは楽しいですよね。

案外そんなに遠い未来でもないかもしれません。

先日ニュース番組をみていると「東京の新築マンション価格が上昇」という話題が取り上げられていました。

東京の新築マンションの価格が上昇しすぎて、今まで買うことができていた年収層も手を出しにくくなっているようです。

夫婦2人で年収2千万円ぐらいあるような、いわゆるパワーカップルも例外ではありません。

1億ぐらいの物件なら余裕をもって買えていたパワーカップルも、それがマンション価格上昇で2億、3億となってくるとさすがに買えない・・となるわけです。

そのニュースで登場していた銀行の融資担当者はこのような話をしていました。

「年収の10倍ぐらいの住宅ローンは組めるので、理論的には買えます。」

確かに、年収2,000万円の夫婦が年収10倍の2億円の住宅ローンを借りれば2億円以上の新築マンションも手が届きます。

たしかに買えるのですが・・なんか異常な事態なのではとその時は思いました。

年収10倍の住宅ローン借りれた!物件買えた!うれしい!となりますか?

個人的には全然うれしくないです。

ここまでの話で出てきたのは値上がりした物件でも買えるのか買えないのかという話。

買った後の生活の話は全くでてこないのです。

東京一等地のタワマンに住みながらも、日々の生活費に悩む毎日は嫌です。

もちろん、「日々の生活費を切り詰めても東京1等地のマンションを買うことが人生最大の喜びだ」という考えの人もいるかもしれませんので一概に否定はしません。

何に幸せを感じるのかは個人によって違うので、その選択は自由です。

住宅ローンと現在バイアスのワナ

人は「未来にある喜びよりも、目の前のことを過大に評価し優先してしまう」という現在バイアスの罠におちいりやすいものです。

今、目の前の喜びを優先すると将来の大きな喜びを失ってしまうかもしれません。

今、2億3億のマンションを買った場合の幸せと、買わなかった場合に得られる幸せを考えてみてもいいのではと思います。

それを確かめる方法の一つがライフプランです。

マンションを買った場合と買わなかった場合の将来のお金の比較をしてみるわけです。

マンションにお金を使う場合と、他のことに使った場合の比較をしてみると自分はどちらに幸せを感じるのか見えてくると思います。

具体的な数字で比較ができるので、現在バイアスに影響されずに客観的に判断もできます。

年収10倍の住宅ローンを借りた後も幸せな人生が送れそうなのか、少し立ち止まって考えてみても良いのではないでしょうか。

総務省の統計データによれば、2022年の共働き世帯数は専業主婦世帯数の約2倍となっています。

共働き世帯の増加にともなって、夫婦2人で住宅ローンを組むことを考える人も増えています。

そこで選択肢として出てくるのがペアローン。

ペアローンは夫婦や親子など、同居親族と一緒にそれぞれが住宅ローンの債務者(借りる人)となる方法です。

夫婦でペアローンを組んだ場合では、夫と妻がお互いに連帯保証人となります。

連帯保証人とは、一方の債務者が住宅ローンを返済しない場合に、債務者に代わって住宅ローンを返済することを約束した人が保証人です。

もし、夫が何らかの理由で返済できなくなった場合は、妻が返済しなければなりません。

その逆パターンもあるでしょう。

これからペアローンを選択する注意点などを考えてみたいと思います。

連帯保証と連帯債務の違いは?

「連帯保証」に対して「連帯債務」というものもあり、ごっちゃになりやすいのが注意ポイント。

夫婦が連帯債務で住宅ローンを借りた場合、1つのローンを2人で借りているので、住宅ローン全額の責任を2人それぞれが負う同じ立場ということになります。

ペアローンの連帯保証では契約書は2通、一方、連帯債務では契約書は1通というところにも違いが出てきます。

ペアローンのメリット・デメリット

ペアローンのデメリットは契約書が2通になるので、事務手数料や諸費用が2人分かかるということです。

どれだけの費用が増えるのかは事前に調べておく必要があるでしょう。

主なメリット

ペアローンを選ぶときは将来の計画も同時に

ここまで書いてきたことは一般的にもよくいわれることなので、私がいうまでもなかったかもしれません。

一番お伝えしたかったのは、「ペアローンで借りた後の将来計画」についてです。

ペアローンを組むご夫婦は当然、返済期間中は2人とも仕事を続ける計画です。

この計画が崩れやすいのが子供が生まれた場合。

2人で子育てを協力して一方に負担が偏らないようにすれば大丈夫ですが、夫の仕事が忙しくてあまり協力できない・・

という場合だと計画が一気に崩れます。

妻が仕事に復帰できる時期が遅くなる、または退職せざる負えないとなると、妻が借りた分の住宅ローン返済が一気に苦しくなる場合も。

また、ペアローンが問題になるのが離婚時です。

住宅を買おうとするときに、離婚のことを想像する人はいないと思いますが、現実として問題となっているケースはありますので、知識として知っておくことは必要です。

離婚後も2人で協力して住宅ローンを返済していくケースは少ないので、共有名義を一方の単独名義に変えるのが普通です。

そうなると一方の住宅ローンを一旦返済して、夫婦どちらかの単独名義に変える必要性がでてきます。

そのためには夫婦どちらかが一方の住宅ローンを肩代わりする必要が出てくるのですが、2人分の住宅ローンを1人で負うのはかなりの負担となってしまいます。

お互いに売却することを納得し、売却資金で住宅ローンを返済できるのであればそれも選択肢かもしれません。

ぺアローンで借りた将来計画がうまくいかなかった場合をご紹介しましたが、将来計画を2人でよく話し合っておけばこのような事態は避けられると思います。

お金の計画は住宅ローンを借りる前にしっかり行っておくことをおすすめします。

現状、一般的な家を買う時の流れは以下のような感じです。(ベストな順番かどうかは別にして)

1,物件探し

2,物件決定、物件購入申し込み

3,住宅ローン事前審査

4,物件契約

5,住宅ローン本審査

6, 住宅ローン実行、物件引き渡し

私自身がハウスメーカーや不動産会社で経験してきたお客様のサポートも上記のような流れでした。

ただ、現在まで長年課題だったのが「物件を決めないと、住宅ローン事前審査を申し込めない」ということでした。

言い換えると「自分がいくらの住宅ローンが借りられるのか分からないまま、物件探しをしないといけない」ということです。

自分が良いと思った物件をせっかく見つけても、「住宅ローンの審査が通らなかった」のではがっかりですよね。

また、審査が通ったとしても物件が決まったら即契約、住宅ローン申し込みと短期間で急いで進めないといけないのも負担になる場合もあります。

最近はこの流れを変えようという新サービスも検討されているようなのでご紹介しながら、ベストな住宅検討の順番もご紹介します。

物件探しの前に住宅ローン事前審査を行う新サービス

現状は物件を決めないと住宅ローンの事前審査に進めないのですが、物件探しをする前に住宅ローンの事前審査を行うサービスが検討されています。

   現状:物件探し ⇒ 物件決定 ⇒ 住宅ローン事前審査

新サービス:住宅ローン事前審査 ⇒ 物件探し ⇒ 物件決定

ある意味、画期的な仕組みだと思います。

住宅ローンを借りられる額を確かめてから物件を探すので、物件が見つかったのにローン審査が通らなかった!というガッカリ体験をすることは減るかもしれません。

これは買う人にとっても良いことなのかもしれません。

その一方で感じることは、これは物件を売る側にも都合の良いことなのでは?という懸念です。

物件を売る側が物件を紹介する前に、顧客がいくらまでの住宅ローンが借りられるのかしっかり確認できるので、言い方は乱暴ですが「無駄な営業」をしなくて済むメリットです。

住宅ローンが借りられることを確認できた顧客に営業を集中すれば効率的に収益をあげられるかもしれません。

物件を売る側から見れば営業をかけるまえに顧客の懐具合を丸裸にできるわけですから、都合が良いともいえます。

高額な住宅ローンを借りらえると確かめられた顧客は高額な物件をすすめられやすくなってしまう懸念も出てくるでしょう。

おすすめしたいベストな検討の順番

今回ご紹介した新サービスは上手く利用できれば買う人にとっても有効な手段となりますが、売る側にとっても好都合なサービスということは頭に入れておく必要はあります。

新サービスをうまく利用するために、おすすめしたいのは「住宅ローン事前審査」の前に「家計診断」を行うことです。

    現状:物件探し ⇒ 物件決定 ⇒ 住宅ローン事前審査

 新サービス:住宅ローン事前審査 ⇒ 物件探し ⇒ 物件決定

私のおすすめ:家計診断 ⇒ 住宅ローン事前審査 ⇒ 物件探し ⇒ 物件決定

おすすめの方法はひと手間増えるのですが、家計診断で「無理なく返済できる住宅ローン金額」を確かめることができます。

これは、銀行の住宅ローンの審査とはまったく違う視点で、家計にとって無理のない住宅ローン金額を確かめる方法です。

例えば、住宅ローンの事前審査で5千万円までOKと結果が出たとしても、家計診断で4千万までが無理のない範囲だと知っていれば、目一杯5千万円までの住宅ローンを借りることは避けられます。

新サービスも使い方によって、使い方によって有効な場合もそうではない場合もあることは知っておくと良いでしょう。