円安と家計の関係は?資産防衛をどう考えるか。

最近「円安」のニュースを目にすることが多くなりました。
とはいっても、外貨建ての資産(外貨預金や外貨建ての投資信託など)を保有しているわけでもなく、FXなどで為替取引をしているわけでもないので「円しか持っていない自分には関係のないニュースかなぁ」と思われる人もいるかもしれませんね。
実は、円安関係ないかなぁと思っている人の家計にも気づかないうちにジワジワとその影響は出てきています。
その正体は”物価上昇”です。
円安により円の価値が下がると支払いにより多くの円が必要になります。
すると、日本が輸入に頼るモノの価格は割高になります。
結果、私たちが買い物をするスーパーなどに並ぶ輸入商品は値上げされることになります。
じゃあ円安を止めればいいじゃないかという声もありますが、日本銀行は円安に歯止めをかける金融緩和策の見直しには否定的です。
円安も困るけど、金融緩和をやめて国内の景気が上がらないのはもっと困るというスタンスのようです。
このように、資産は全部”円”でしかもっていないから関係ないかな。という人の生活にも影響が出ているのが現在進行中の円安です。
じゃあ、どうすればいいのという話ですが・・
資産の一部を外貨で保有する必要性
今の物価上昇を見ても分かるように、これからずっと日本に住むとしても為替変動によって生活に影響は受けますので、「資産の一部を外貨建てで持っておく」ことは生活防衛、資産防衛対策の一つになります。
たとえ円安になって物価が上がったとしても、外貨建ての資産を持っていれば、円に換算した資産は逆に増えたことになります。
例えば、米ドルと円の為替レートが1米ドル=100円から、5年後に1米ドル=140円の円安になったとします。
1米ドルの輸入パスタの価格は100円から140円に値上げされる可能性があります。
一方、1米ドル=100円 のときに100万円でドル建ての資産を購入したとします。(※手数料や税金は考慮していません。)
100万円÷100円=10,000米ドルがドル建て資産の元本になります。
5年後、1ドル140円の円安になったら、10,000米ドルは、140円×10,000米ドル=140万円となります。
円安になって物価は上がったけど、円ベースの資産は増えたから結果プラスだよね。となれば世間で円安で大変だ!と騒いでいても心穏やかでいられますよね。
実際に、ここ10年ぐらいの長期スパンでコツコツと外貨建ての資産を増やしてきた人は、円安によって円ベースの資産が増えているでしょう。
とはいえ、急に円安になってきてるから外貨建ての資産を増やさないと!と急に資産の多くを外貨建てに換えることはおすすめしません。
為替の変動は株の値動きと同じで、完全に予測できるものではないので、1年後には急激な円高に振れる可能性もあります。
長期目線でコツコツと資産の一部を少しづつ外貨建てに換えていくことが有効な手段だといえます。
どのくらいの割合を外貨建ての資産で持つかは、個人のライフプランによりますのでじっくりと考えたいところです。
投稿者プロフィール

- 住宅不動産コンサルタント/1級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引士
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株式会社ライフオブライフ代表。
住宅相談を専門とする住宅不動産業界歴19年のファイナンシャルプランナー。買う方の立場に立った「住宅コンサルティング」「将来家計のサポート」を行う
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