相談者の方とお話をしていて気付いたのですが、みなさんがよく誤解されていることの一つにこんなことがあります。

「住宅ローンを組んで団体信用生命保険(以下、団信)に入ったら民間保険に入らなくて良いですよね。」

という質問ですが・・これはちょっと誤解があります。

確かに、団信に加入すれば加入者に万が一のことがあっても、その後の住宅ローンの支払いは保険金によって支払われるので、残された家族に負担はかかりません。

しかし、団信で保障されるのは「住宅ローンの支払い」のみです。

残された家族が生活するための住宅の維持費、生活費、教育費、その他の費用は当然かかりますよね。

団信では保障してくれません。

ですから、団信加入後に民間の保険が必要なのか・必要ではないのかは、残された家族の生活をシュミレーションしてみないと分からないのです。

さらに、特に注意しないといけないのが夫婦2人の収入を合算して住宅ローンを借りる場合です。

なぜ、この場合注意が必要なのかこれから詳しく書いていきます。

夫婦2人で住宅ローンを借りる場合の保険は?

夫婦2人とも働いているのだから、1人より多くの住宅ローンを借りられるのでは?と多くの人が想像しますよね。

そこで、夫婦2人で住宅ローンを組む場合、「収入合算」という選択肢が考えられるわけです。

文字通り、夫婦2人分の収入を合体させることができ、1人で住宅ローンを借りるより高額の住宅ローンを組むことができるようになります。

でもここに落とし穴があって、なんとなく収入合算で住宅ローンを組んでしまうと、保障の部分で大きな弱点ができてしまう場合があります。

それは・・

「収入合算だと1人しか、団信に加入できない。」

ということです。

何が危険なのかということを説明するために夫婦で収入合算をし、住宅ローンを借りた具体的な例でみてみます。

夫Aさんの年収:500万円

妻Bさんの年収:300万円

収入合算で住宅ローン:5,000万円、35年返済

上記のような条件で住宅ローンを銀行で借りました。

15年後・・急病で妻が亡くなってしまいました。

万が一このようなことが起こってしまったとします。

残された夫は、住宅ローンを借りたときに「保険に入っていたな。」と思い出します。

そこで、銀行に問い合わせてみました。

夫:「妻と一緒に住宅ローンを借りたので、保険で住宅ローンの一部でも減らしてもらえるのでしょうか?」

銀行:「保険に入っているのは主債務者である夫Aさんだけですので、妻Bさんが亡くなった場合は保険で保障されません。残念ですが・・」

このような絶望的な回答が銀行から返ってきてしまう場合もあります。

夫Aさんは上記のようなことを住宅ローンを借りたときには十分に理解できていませんでした。

2人の収入で返済していくはずだった住宅ローンをこれからは1人で返していかなくてはいけません。

当然、これまでより返済の負担が重くなることは明らかです。

1人分の収入で家族の生活費をまかない、住宅ローンも返済していかなくてはなりません。

(この事例は連帯保証の収入合算の場合です。連帯債務の収入合算の場合は夫婦で団信に加入できる場合もあります。)

夫婦で住宅ローンを借りるときにやるべきこと

共働きの夫婦のどちらか一方が亡くなった場合に備えて、保障が十分なのか確かめておくことは必要です。

収入合算の場合は特にこのあたりが忘れがちになります。

夫が亡くなった場合でも、妻が亡くなった場合でも、住宅ローンを返済しながら生活は成り立つのかシュミレーションしておくことが必要です。

シュミレーションを行ってみると、団信に加入していたとしても、残された家族の生活費または老後の資金が足りなくなる結果が出ることもあります。

その場合は、民間保険で補うことも必要になってきます。

民間保険に入る必要があるかどうかは、世帯主と配偶者の収入、貯蓄額、退職金の額などによっても変わってきますので、一概には言えません。

貯蓄が十分にある場合は、過剰に保険に加入する必要はありません。

必要以上の保険に入る必要はまったくありませんが、シュミレーションを行ってから、最低限いくらの保険が必要か、または不必要なのかを決めましょう。

過去を振りかえると、平成29年9月30日以前はフラット35の団体信用生命保険(以後、団信)に加入する代わりに、民間の保険に加入するほうが保険料が安いということもありました。

その理由として団信は年齢や健康状態にかかわらず保険料が一定なので、20代・30代の健康な方にとっては少し割高とも言えました

しかし、平成29年10月1日以後にフラット35を申し込んだ方は、フラット35の毎月返済額に団信の保険料が含まれるようになり、総額の保険料でみてもほぼ民間の保険より安くなりました。

そこで、どのぐらいの保険料の差があるのかシュミレーションで検証してみたいと思います。

フラット35の団体信用生命保険料

以下の条件とします。

35歳男性

借入金額 3,400万円

フラット35、金利1.45%、35年返済

 総返済額:4,338万円 となります。(団体信用生命保険の費用も含まれます。)

 

新機構団信に加入しない(できない)場合の金利は、借入金利から-0.2%で金利1.25%となります。

 総返済額:4,200万円 となります。(団体信用生命保険の費用は含まれません。)

毎月返済額:10万円

 

 4,338万円-4,200万円=138万円

138万円が団信保険料の総額となります。

 

民間の保険に代わりに加入する場合

団体信用生命保険に加入しない場合の毎月返済額10万円を民間の保険で補おうとすると、「収入保障保険」が1つの選択肢として挙げられます。

収入保障保険に加入すれば死亡や高度障害など、万が一の事があっても毎月10万円を遺族の手元に残すことができます。

遺族は毎月10万円を住宅ローンの返済にあてることで、住宅ローンの返済を続けながら住み続けていけるというイメージです。

それではシュミレーションを行ってみましょう。

 

35歳男性

保険期間70歳満了

死亡・高度障害年金額: 月額10万円

※A保険会社は喫煙の有無、血圧などの健康状態で保険料が変わります。

  月払い保険料 保険料総額(35年間)
非喫煙優良体(A保険会社) 4,430円 186万円
非喫煙標準体(A保険会社) 6,990円 294万円
B保険会社 4,780円 200万円

 

喫煙無し、最高血圧120以下、最低血圧80以下の非喫煙優良体でも保険料総額は186万円となりますので、保険料総額は団信より48万円高くなります。

186万円-138万円=48万円

 

団信はローン契約者に万が一のことがあった場合、それ以降のローン残高を一括で肩代わりしてくれるものですので、上記の毎月10万円の所得保障とは厳密には異なります。

 

そこで、条件をできるだけ近づけて

 

B保険会社の所得保障でまとめて保険料を受け取る場合をみてみると・・

 

契約時点で約3,400万円(40歳時点で約2,900万円)の保険金をまとめて受け取り

月払い保険料 4,322円

保険料35年総額 約182万円

 

少し安くなりましたが、まだ団信に軍配が上がります。

 

団体信用生命保険と民間保険の比較のまとめ

上記のシュミレーションの検証から平成29年10月1日以後に新機構団信になってから、団信の保険料はかなり下がったと言えます。

ただし、上記のシュミレーションはすべての民間保険会社を網羅しているわけではありませんし、今後の保険サービスの見直しなどで状況が変わる可能性がありますので、新しい情報は敏感に取り入れましょう。

また,保険料だけではなくどのような特約が付帯できるのか、なども見逃せない点ですので総合的に判断する必要があります。

団信にオプションで付ける「三大疾病保障」についても下記の記事で解説していますのでご覧ください。

住宅ローンに三大疾病保障をつける必要性はどれくらい?見落としがちな注意点も

 

「繰り上げ返済はいつ行えば良いの?」

「住宅ローン控除の期間は繰り上げ返済しないほうが良いって聞くけど実際どうなの?」

繰り上げ返済に関しては、このような疑問をよくお聞きします。

まず、おさらいとして住宅ローン控除とは・・

住宅ローンの年末残高の一定割合が、所得税や住民税から税額控除される制度です。

会社員の方などは年末調整で控除分が還付されます。

☆詳しくは下記の記事も参考にしてください。

http://fp-lifeoflife.com/tax-cut

みなさん感覚的に、年末のローン残高が多いほうが、住宅ローン控除でより多くのお金が戻ってくるのではないかなと感じると思います。

「それなら、ローン控除の期間内は繰り上げ返済しないでおいて、ローン控除が終わったらまとめて繰り上げ返済しよう。」

このような考えに至るのは自然な流れだと思います。

それでは本当にそれが正しい方法なのか実例でシュミレーションを行ってみましょう。

 

繰り上げ返済シュミレーション

条件:

住宅ローン金額2,000万円 返済期間35年 金利1.4%と0.6%の2パターン

 

さらに、金利1.4%と金利0.6%の場合それぞれにおいて、下記の2パターン

・6年目から10年目に、毎年100万円づつ繰り上げ返済するパターン

・住宅ローン控除期間が終わってから、11年目に500万円まとめて繰り上げ返済するパターン

 

金利1.4%の場合

繰上返済の利息軽減 住宅ローン控除の減税 繰上返済と住宅ローン控除の効果の合計
繰上返済しない 0 約174万円 約174万円
6年目~10年目まで、100万円づつ繰上返済 約193万円 約159万円 約352万円
11年目に500万円まとめて繰上返済 約165万円 約174万円 約339万円

 

金利1.4%の場合は、「5年間、毎年100づつ繰上返済」のほうが、352-339=13万円だけ得をします。

住宅ローン控除の減税分は少なくなりますが、繰上返済の効果がそれを補って、トータルでも得になる計算です。

 

金利0.6%の場合

繰上返済の利息軽減 住宅ローン控除の減税 繰上返済と住宅ローン控除の効果の合計
繰上返済しない 0 約171万円 約171万円
6年目~10年目まで、100万円づつ繰上返済 約77万円 約156万円 約233万円
11年目に500万円まとめて繰上返済 約66万円 約171万円 約237万円

 

金利0.6%の場合は、「11年目に500万まとめて繰上返済」のほうが237-233=4万円だけ得をします。

繰上返済の効果よりも、住宅ローン控除の減税効果がおよぼす影響のほうが大きく、トータルでも得になります。

 

住宅ローンを繰上返済する際の、住宅ローン控除との関係のまとめ

シュミレーションで分かったことは、金利が1%を超える場合は、住宅ローン控除の期間内であっても積極的に繰上返済を行うことで、トータルでは得になるということでした。

これは、住宅ローン控除の控除率が1%であるため、それを超える住宅ローン金利ならできるだけ早く繰上返済したほうが良いということがいえます。

金利が1%以下の場合は、住宅ローン控除期間は繰上返済しないで、控除期間が終わってから、まとめて繰上返済を行うほうが得になることがあります。

しかし、金利が1%以下であっても、所得税、住民税から住宅ローン控除の分を控除しきれない場合(住宅ローン控除の額よりも納める所得税、住民税が少ない)などは、異なった結果になる場合がありますのでご注意ください。

上記のシュミレーションは一例ですので、所得税・住民税、金利、繰上返済の金額と時期によって異なった結果となることがありますので、ご自身の場合の適切な繰上返済の時期については、詳しいファイナンシャル・プランナーなどにご相談ください。

考える人イメージ

住宅ローンを検討する際に、金利タイプの選択で迷われる方は非常に多いです。

固定金利が良いのか・・

変動金利が良いのか・・

いっそ迷っているぐらいなら、固定金利と変動金利のミックスなら良い所取りできるのでは?と思われる方もいるでしょう。

ミックスローンとは・・

例えば3,000万円の住宅ローンを組む時に、1,500万を固定金利、1,500万円を変動金利で借りることができます。

この記事では、ミックスローンのメリット、デメリット、注意点などをまとめていきたいと思います。

まず、以下のようなシュミレーションを行ってみます。

3,000万円、返済期間35年で借りた場合の、毎月返済額、利息

全期間固定1.4% 変動金利0.6% 金利ミックス(1/2ずつ)
毎月返済額 90,392円 79,208円 84,800円
利息分(毎月返済額に含む) 34,935円 14,967円 24,864円

これより7年後に変動金利が2%上がって2.6%になったとすると・・

7年目に変動金利が2%上昇した場合の、毎月返済額、利息

全期間固定1.4% 変動金利2.6% 金利ミックス(1/2ずつ)
毎月返済額(7年目以降) 90,392円 103,571円 96,981円
利息分(毎月返済額に含む) 34,935円 48,768円 44,868円

全期間固定は当然、金利上昇の影響を受けません。

変動金利は金利上昇の影響を受けて、利息分が約3.2倍に増えています。

ミックス金利も金利上昇の影響を受けて、利息分が約1.8倍に増えていますが、変動金利より上昇分は少なく収まっているといえます。

「これだけ金利上昇のリスクを減らせるならミックス金利もありかな。」

「ミックス金利にしても、思ったより金利上昇のリスクは減らないな。」

様々な感じ方があるかと思います。

みなさんはこれを見てどのように感じられるでしょうか?

次にメリットとデメリットも紹介しますのでそちらもしっかり確認してくださいね。

ミックスローンのメリット

上記のシュミレーションでみてきたように、固定金利を超えるような金利上昇が起こったとしても、影響を受けるのは住宅ローン全体に対して、変動金利で借り入れた半分だけです。

その分、リスクは軽減されると言えます。

でも、金利が下がると、返済額が減るのは借入額の半分なのでメリットは半減してしまいます。

現状の金利が変化したときに、それぞれの金利パターンを選択したことで、得するのか、損するのか、簡単にまとめてみました。

固定金利 変動金利 ミックス金利
金利上昇(景気が良くなる) 損(半分)
金利下落(景気が悪くなる) 得(半分)

(あくまで可能性の高い景気と金利の関係です。まれに「景気が悪いのに金利上昇」などの状況もありえます。)

ミックスローンのデメリット

金融機関の商品にもよりますが、住宅ローンを2本とすることで借入手数料や登記費用が増えることもあります。

ミックスローンは同じ銀行で2本のローンを組む必要があります。

ミックスローンのまとめ

これまで見てきたように、ミックスローンは「得するときも半分」「損するときも半分」の影響を受けるという特徴があります。

金利上昇が起こると予想すれば、固定金利。

金利は現状のまま、または、下落すると考えれば変動金利。

金利上昇、下落どちらの状況が起こっても、金利変化の影響を少なくしたいと思えば、ミックスローン。

このような選択も一つの方法です。

金融機関の商品にもよりますが、ミックスローンはいくつかの組み合わせが考えられます。

全期間固定 + 変動金利

固定期間特約(3、5、10年固定など) + 変動金利

全期間固定 + 固定期間特約

固定金利特約 + 固定金利特約

これらの組み合わせは、ライフプランに合わせて選ぶ必要があると言えます。

例えば、下記の家計の金融資産残高(貯蓄残高)では、住宅購入で貯蓄が一旦減り、元に戻るまで10年ぐらいはかかります。

その貯蓄か目減りしている間に、大きな金利上昇があると家計に影響を及ぼすでしょう。

そこで、固定期間特約と変動金利にする(固定期間特約10年 + 変動金利)などの選択が考えられます。

金融資産残高のグラフ

ただ、現実にはこれらのシュミレーションや金利の予想を適切に行って、家計に一番合った組み合わせを選ぶのは難しいといえます。

住宅ローンを返済し終えて、初めてその選択が正しかったのか分かるのかもしれません。

住宅ローンを考えるうえでの基本とも言えますが

という方法のほうが多くの場合、家計管理もし易いしですし、分かりやすいです。

金利タイプ構成比

出典:住宅金融支援機構、金利タイプ構成比の推移 H17/10~H18/3(小数点以下四捨五入)

 

上記のデータを見ると、個人的には思ったより、変動金利型を選んでいる方が多くて、固定金利型を選んでいる方が少ないなという印象です。

住宅ローンを検討するときに多くの方が迷われるのが「変動金利型」にするか「固定金利型」にするかの選択です。

「変動金利を選んでいる人が多いなら私も変動にしようかな・・」と思われた方も少し待ってください。

今回の記事では、「変動金利型」と「固定金利型」のメリット、デメリット、選択するときに気を付けるべきことなどをまとめていきますので、重要な選択をするうえでの参考にして頂ければと思います。

 

変動金利

変動金利は返済途中、半年ごとに金利が見直される住宅ローンです。

ほとんどの金融機関において、金利タイプの中では金利が一番低く設定されています。

金利は半年ごとに見直されますが、半年ごとの金利の見直しで返済額が変わるわけではなく、一般的には返済額の変更は5年ごとに行われます。

また金利の見直し後の返済額は前回の125%までしか上がらないルールがあります。

例えば毎月の返済額が10万円だった場合、どれだけ金利が上昇していても5年後の返済額の上限は125%の12万5,000円となります。

気を付けたいのが、仮に返済額が140%にアップした場合、残りの15%は免除されるわけではないことです。

次の更新時に繰り越されることになります。

この場合は、毎月の返済額に占める金利分が増え、元金分が減りますので、借入元金が当初の計画よりなかなか減らないという事態になります。

さらに金利が上昇してしまうと・・毎月返済額のすべてが利息分のみになってしまい、借入元金が減らないどころか、支払いきれない利息分(未払利息)も積みあがっていくという事態になります。

現状の金利水準であれば最悪の事態になる可能性は低いとはいえ、このようなリスクもあることは知っておくべきだと思います。

 

メリット:

・金利が上昇していかなければ固定金利と比べて、低い金利での返済が続けられる。

 

デメリット:

・金利が上昇すると固定期金利より返済額がアップしてしまう。

・大幅な金利上昇が起こった場合、未払利息が積みあがる可能性がある。

 

 

固定金利(全期間固定型)

固定金利(全期間固定型)は返済期間中、ずっと金利が固定されるので返済額も変わりません。

フラット35などがよく知られていますが、各銀行が独自の商品として扱っている場合もあります。

 

メリット:

・金利が固定されるので返済額が増える心配が無く、ライフプランの計画が立てやすい。

 

デメリット:

・変動金利より、高めに金利が設定されているので、低金利が続くと変動金利より返済額は多くなる。

 

 

固定金利(期間選択型)

固定金利(期間選択型)は3年、5年、10年など金利が固定される期間を選択できます。

当初、選択した期間内は金利が固定され返済額も変わりません。

選択した固定金利期間が終了すると、その時点の金利で固定金利か変動金利かを選択することになります。

変動金利のような「125%ルール」は無く、その時点で金利が上がっていれば、上がっている分だけ毎月の返済額は増えます。

 

メリット:

・出費が多く見込まれる期間だけは固定にしておくなど、ライフプランに合わせた返済計画に役立つ。

 

デメリット:

・固定金利期間が終了した後の金利上昇によっては、全期間固定型より返済額が増えてしまう可能性がある。

 

まとめ

どの金利タイプにおいてもメリット、デメリットがあるので、どの方にもあてはまる一つの最良な選択肢というものは存在しません。

一生涯の収支、ライフプランを計画したうえで

これらの点についてじっくり考えながら、今後の経済状況、金利水準なども予想しながらそれぞれの家計に合った金利タイプを選択する必要があります。

金利の予想は経済学者でも難しいです。

安易に他人が「今後も低金利は続くはずですよ」という言葉を鵜呑みにして行動して、違う結果になれば後悔が残ると思います。

最期には、自分の判断を信じるしかありません。

今後の金利水準も低いまま推移すると予想し、万が一金利上昇した場合でも、繰り上げ返済、借り換えなどの素早い対応ができる方なら変動金利の選択も可能です。

そうでない場合は、固定金利を中心に住宅ローン返済の計画を立てていく必要があると言えます。

 

夫婦のイメージ

住宅ローンをこれから組む予定の方は、団体信用生命保険の存在はすでにご存じかと思います。

念のために、団体信用生命保険(団信)とは・・

住宅ローンを組んだ方が返済中に、亡くなったり、所定の高度障害になられたときに、残りの住宅ローンの残債を返済してくれる制度です。

この制度は良く知られているために、「夫婦で住宅ローンを組んでも団信があるから安心だ」と多くの方が感じていると思います。

しかし、団体信用生命保険がすべての住宅ローンの残債を返済してくれないケースがあることはご存知でしょうか?

これからそのようなケースをご紹介していきます。

団体信用生命保険で残債すべてを返済できる場合

まず、団信ですべての住宅ローンの残債を返済してもらえるケースを見てみましょう。

夫か妻が全額の住宅ローンを1人で組む場合

例えば、妻が専業主婦の場合は夫の収入だけで住宅ローンを組むことになります。

夫が亡くなった場合は、住宅ローンの残債はすべて団信で返済してもらえ、残された妻が住宅ローンを返済していく義務はなくなります。

これなら残された妻も安心できます。これは分かりやすいケースですね。

団体信用生命保険で残債すべてを返済できない場合

ここからが本題ですが、団信ですべての住宅ローンの残債を返済してもらえないケースです。

3つの住宅ローンのパターンがあります。

1、収入合算して連帯保証で住宅ローンを組む

2、収入合算して連帯債務で住宅ローンを組む

3、夫婦でペアローンを組む

※それぞれの住宅ローンの詳しい説明はこちらの記事もご参照ください。

収入合算して連帯保証で住宅ローンを組む

連帯保証人は債務者が返済不能になった場合のみ、返済の義務を負います。

例えば、夫の収入に妻の収入を合算する場合、夫が債務者となり、妻は連帯保証人となります。

この場合、団信に加入できるのは夫だけです。

夫が亡くなった場合はどうなるのでしょうか?

その後の妻の返済は全額免除されます。

妻が亡くなった場合はどうなるでしょうか?

妻が亡くなっても夫の返済は免除されません。

(夫が連帯保証人になる場合、夫と妻の立場は逆になります。)

妻はあくまでも連帯保証人なので、団信には加入できないからです。

この場合は危険度が増します。

妻が亡くなって妻の収入がなくなっても、夫はその後も1人の収入だけで、住宅ローンを返済し続けることになります。

収入合算して連帯債務で住宅ローンを組む

例えば、夫が主債務者、妻が連帯債務者となり、3,000万円の住宅ローンを組んだとします。

この場合、夫も妻も3,000万円の債務を負います。

どういうことかというと・・

3パターンのどれでもOKということです。

貸したほうの銀行から見れば、夫と妻のどちらにでも3,000万円の返済を請求できるということになります。

注意するべきことは、民間金融機関で連帯債務の住宅ローンを組んだ場合、主債務者しか団信に加入できないことが多いことです。

夫しか団信に加入できない住宅ローンの場合・・

数年後に夫が亡くなった場合、夫の住宅ローン残債は団信で返済されるので妻が返済する必要はありません。

妻が亡くなった場合は、夫は1人の収入で住宅ローンを返済しなければなりません。

一部例外として、フラット35など一部の住宅ローンは連帯債務の住宅ローンを組んだ場合でも、夫婦で団体信用生命保険に加入できます。

下記に参考として、連帯債務において夫婦のどちらかに万が一のことがあった場合に全額返済される団信に加入できる住宅ローンの事例をご紹介します。

・フラット35 デュエット

連帯債務者であるご夫婦2人で加入することができる制度です。ご夫婦のどちらか一方の加入者が死亡または所定の高度障害状態になられた場合には、住宅の持分や返済額等にかかわらず、残りの住宅ローンが全額弁済され、ローンの返済義務は残りません。また、「デュエット」を利用できるご夫婦とは、戸籍上の夫婦、婚約関係、内縁関係にある方々です。

フラット35HPより

・三井住友銀行 クロスサポート(連生団体信用生命保険付住宅ローン)

夫婦でペアローンを組む

ペアローンは夫婦それぞれが住宅ローンを借ります。

夫婦が自分の住宅ローンに対してそれぞれ債務を負い、お互いに住宅ローンの連帯保証人になります。

例えば、3,000万円の住宅ローンを組む場合、夫が2,000万円を組み、妻が1,000万円組むというようなパターンが考えられます。

この場合、団信は夫婦それぞれで加入します。

数年後、夫が亡くなったとしたら、夫の分の住宅ローンは団信で返済されますが、妻が組んだ住宅ローンはそのまま返済していかなくてはいけません。

まとめ:夫婦で住宅ローンを組む場合の団体信用生命保険の考え方

夫婦のどちらかに万が一のことがあった場合の危険度は夫と妻の収入の差によっても変わってきます。

特に夫婦の内、収入が多い方に万が一のことがあった場合に備えて、より手厚い保障を準備しておくことが必要です。

夫婦のどちらかに万が一のことがあった場合、団信で返済できるのはどれだけなのか、事前に十分な確認とライフプランニングでのシュミレーションが必要です。

団信だけで返済しきれない場合は、生命保険で補うことも必要となります。

住宅ローン控除を受けられる中古住宅の条件

中古住宅の場合は以下の2つの条件のうち、いずれかを満たす必要があります。

 

(1)築年数が以下の規定の年数以内であること

 

(2)耐震レベルが一定の基準をクリアした建物(下記のいずれか1つを満たせばOK)

 

つまり・・

(1)の条件を満たすかどうかは、構造と築年数で判断されます。

 

(1)の条件を満たさない場合・・

であっても、耐震レベルが一定の基準をクリアした建物であることを(2)で証明できれば、住宅ローン控除は受けられます。

 

それでは、(2)のそれぞれの方法について見ていきましょう。

 

耐震適合証明書を取得する

耐震基準適合証明書は、建物が耐震基準を満たしていることを証明する書類です。

指定性能評価機関や、建築士事務所登録を行っている事務所に所属する建築士が発行できます。

費用は7万円~のようですが、指定機関、建築士事務所によって金額は変わりますので、よく検討したほうが良さそうです。

 

住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得する

住宅性能評価書は「住宅性能表示制度」に基づいて、国土交通省の登録を受けた第三者機関から発行されます。

住宅性能表示制度は住宅の性能を表示する基準は10項目で、それぞれが更に細かい項目に分かれており、住宅取得者が比較検討しやすいように、等級や数値が示されています。

建物の点数表のイメージが一番近いでしょう。

また、トラブルが起こった時は指定住宅紛争処理機関(各地の弁護士会)に紛争処理の申請ができます。

申請料は1万円です。

 

 

既存住宅売買瑕疵保険

既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度で、

住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険を引き受けます。

既存住宅売買瑕疵保険に加入するためには、住宅の基本的な性能について、専門の建築士による検査に合格することが必要なので、一定の性能が確認された住宅の取得が可能となります。

後日、売買された中古住宅に欠陥が見つかった場合は、補修費用等の保険金が事業者(事業者が倒産等の場合は買主)に支払われます。

注意点:1981年(昭和56年)5月以前のいわゆる「旧耐震基準」の中古住宅は原則、保険引受が不可となります。

 

また、保険期間は

売主が宅建業者の場合:5年間または2年間

個人間売買の場合:5年間または1年間

となります。

 

料金は、保険期間、保険金額、特約、床面積、構造などによって異なります。

一戸建てだと、4万円~8万円ぐらいに収まるでしょう。(宅建業者売主型の場合)

個別の住宅の条件によって金額は変わりますので、事前に見積書を作成してもらったほうが良いです。

その他の主な条件

まとめ

「耐震適合証明書」、「住宅性能評価書」、「既存住宅瑕疵保険」

これらの制度を利用することで、

でも住宅ローン控除を受けられる可能性は高まります。

ただし、中古住宅の売買の現場において、これらの制度の導入が一般的に行われている状況とはいえません。

実際の取引現場においては、売主・買主のどちらが費用負担をするのかということも検討するべき点です。

費用対効果の検証も必要ですが、住宅を買う方にとって、住宅ローン控除を受けるための制度というだけではなく、今後住み続けるのに安心な住宅なのかを判断する一つの材料になるでしょう。

住宅ローン控除とは何か?については、こちらの記事を参考にしてください。

http://fp-lifeoflife.com/tax-cut

 

よく雑誌、本、ネット情報の家計相談などで

「住宅ローンの返済は毎月給料の25%以内におさえましょう。」

「家賃は毎月給料の25%以内におさえましょう。」

というアドバイスを目にしますが・・

結論から言うと、住宅ローンを借りても家計が長期にわたり安心なのかを判断する基準としては

「返済比率25%以内」はほとんど意味がありません。

なぜ意味が無いのかこれからその理由を説明します。

また、返済比率だけで判断しない正しい方法も紹介します。

返済比率とは何か?

返済比率は「年収に占める年間返済額の割合」です。

(返済負担率という場合もありますが意味は同じです。)

返済比率は本来、銀行などの金融機関がいくらまでのローンなら貸しても大丈夫か?

ということを判断する基準となるものです。

例えば、住宅金融支援機構の【フラット35】での総返済比率の基準は以下の通りです。

年収400万円未満400万円以上
基準30%35%

平成19年10月1日に上記の基準に変更されました。

それ以前は月収の基準などもあってもう少し厳しかったのですが、ゆるくなりました。

より多くの金額を借りやすくなったのは良いことなのか悪いことなのかなんとも言えないところです。

それでは、フラット35だといくらまで借入可能なのか年収例で見てみましょう。

フラット35だといくらまで借入可能なのか

年収600万円の場合年収800万円の場合
金利1.34%左と同じ
返済期間35年左と同じ
返済方法元利均等左と同じ
返済比率35%左と同じ
借入可能額5,864万円7,819万円
毎月返済額17.5万円23.4万円

※シミュレーションは金利、他のローンの借入状況などの諸条件によって変わりますので、借入を保証するものではありません。最新の金利情報もご確認ください。

フラット35では上記の金額まで借入できる場合があります。

この毎月返済額では家計負担が重いなあと思われる方も少なくないでしょう。

金融機関が「貸してくれる金額」と「無理なく返済できる金額」は同じではありませので当然の感想だと思います。

返済比率25%の場合いくらまで借入可能なのか

次に、同じ年収例で返済比率25%の場合いくらまで借入可能なのか見てみましょう。

年収600万円の場合年収800万円の場合
金利1.34%左と同じ
返済期間35年左と同じ
返済方法元利均等左と同じ
返済比率25%左と同じ
借入可能額4,188万円5,585万円
毎月返済額12.5万円16.7万円

※シミュレーションは金利、他のローンの借入状況などの諸条件によって変わりますので、借入を保証するものではありません。最新の金利情報もご確認ください。

それでは次に返済比率25%なら家計は安心なのか?

を考えてみましょう。

返済比率25%が家計が安心である目安にならない理由

上記事例と同じぐらいの年収の方は、返済比率25%の場合の毎月返済額をどう感じますか?

「この返済額なら大丈夫そうだな」

と思われる方もいれば

「この返済額でもキツいな」

と思われる方もいるでしょう。

返済比率だけで、住宅ローンをいくらまで借りてよいのか判断できるのであれば、こういった直感の違いは起きないはずですよね。

どちらかの直感が間違っているのでしょうか?

この直感の違いはどこからくるのでしょうか?

答えはこの試算に表れていない家計状況の違いです。

同じ年収であったとしても

・年齢

・金融資産の金額

・生活費として必要な金額

・教育費として必要になる金額

・趣味で使う金額

・将来、年金としてもらえる金額

・民間保険の保障内容、保障金額

・社会保険の保障内容、保障金額

・将来、相続する資産の有無

これらの条件は個々人によって千差万別です。

例えば、同じ年収600万円の人が2人いたとします。

・年収600万円、世帯主年齢30歳、子供2人(2歳、0歳)、金融資産300万円

・年収600万円、世帯主年齢48歳、子供1人(23歳社会人)、金融資産1,500万円

上記の2人の方では、今後教育費として必用になる金額も、使える金融資産の額もまったく違います。

年収と返済額だけで数字が導き出される、返済比率だけで判断はできません。

また、人生において何にお金を優先的に使いたいと思っているかが重要です。

・子供の教育に優先的にお金を使いたい。

・趣味に優先的にお金を使いたい。

・住宅に優先的にお金を使いたい。

・老後の資金を十分に貯めておきたい。

これらの考えは個人によって違い、それは他人が口出しできることではなく、当然あなたが決めることです。

ですから、すべて考慮して検討しなければ、本当に家計にとって大丈夫な住宅ローンなのかということは判断できません。

これらは返済比率だけで他人が決めることではありません。

返済比率25%であろうと30%であろうと、返済が重いと感じる人もいれば、返済できると感じる人もいるのは当然です。

まとめ:返済負担率だけで住宅ローンを判断しないただ一つの方法

あくまで返済比率は、銀行などの金融機関がいくらまでの住宅ローンなら貸しても大丈夫か?ということを判断する基準となるものです。

これを、住宅ローンを借りても家計が長期にわたり安心なのかを判断する基準として使うのは危険です。

「返済比率25%」はもちろん「返済比率20%」であったとしても、将来多くのお金を優先して使いたい予定があるなら、安心できる目安にはなりません。

これまでみてきたように返済比率だけでは、住宅ローンの負担が大丈夫かを判断できません。

家計が長期にわたり安心なのかを判断するためには、一生の収入と支出のシミュレーションが必要です。

これを「ライフプラン」といいます。

・年齢

・金融資産の金額

・生活費として必要な金額

・教育費として必要にな金額

・趣味で使う金額

・将来、年金としてもらえる金額

・民間保険の保障内容、保障金額

・社会保険の保障内容、保証金額

・将来、相続する資産の有無

これらの個人のデータを表に落とし込むことで、一生涯のお金の出入り、金融資産の増減を目に見えるようします。

数字が目に見えれば、自分で住宅ローンの負担が大丈夫なのかどうか判断できるようになります。

ライフプラン表を作ると一生涯のお金の動きが見えてきます。

キャッシュフロー表

・どのタイミングでどれだけの教育費がかかるのか

・住宅ローンを返済しながらでも家計は赤字にならないか

・老後の資金は残るのか

ライフプランを作れば、これらの疑問の答えも具体的な数字で見えてきます。

住宅会社や不動産会社の言う「これぐらいのご年収の方はこれぐらい住宅ローンは借りています。」などの言葉をうのみにしないことが賢明です。

「他の人と同じ」というところで安心感を持ってしまうのですが、そこが落とし穴です。

あなたのお金の使い方を他人に”おまかせ”にしないことがを忘れないでください。

客観的なデータがあれば自分で将来は安心なのか判断することもできます。

どうしても分からない部分だけ専門家のアドバイス聞くというだけでも十分です。

住宅ローンで失敗しない方法は下部から↓↓↓↓

ペアローンイメージ

夫婦共働きであれば、2人で住宅ローンを組むという選択肢を1つ増やすことが出来ます。

もちろん2人であっても借りすぎは禁物ですので、しっかりとしたライフプランを立てたうえでの返済計画は必要ですが、1人よりも借入額を増やすことが可能になります。

そこで、連帯債務型住宅ローンを取扱っている中部地方の金融機関中心にご紹介するとともに、夫婦で住宅ローン組む場合はどのようなメリットや借り方があるのか、またどのようなことに注意すれば良いのか解説していきます。

夫婦で住宅ローンを組むメリット

などがあげられます。

夫婦で住宅ローンを組む場合の選択肢

夫婦で住宅ローンを組む場合以下の3つの選択肢があります。

連帯保証

連帯債務

ペアローン

三つのうち「連帯債務」と「連帯保証」の違いは特に分かりにくいですよね。

その違いや夫婦で連帯保証、連帯債務、ペアローンを選択する場合の注意点についてご説明します。

連帯保証

連帯債務

【フラット35】を平成29年10月1日以後にお申込みいただいたお客さまから、月々の【フラット35】のお支払いに団体信用生命保険の加入に必要な費用が含まれるため、年払いでの団信特約料のお支払いが不要になりました

ペアローン

夫婦で物件の持分を分ける際の注意点

土地と建物の登記において、実際に負担した頭金、住宅ローンと同じ割合で登記しないと贈与税が課税される可能性があります。

どういうことか例で見てみましょう。

土地と建物の購入代金  5,000万円

自己資金        1,000万円 (夫婦で500万円ずつ拠出)

住宅ローン       4,000万円(負担割合:夫3,000万円、妻:1,000万円)

総額の負担割合は

夫:3,500万円 10分の7

妻:15,00万円 10分の3

となりますので

この割合で登記することになります。

ところが「夫婦だから平等に」と、2分の1ずつで登記してしまうと・・

夫から妻へ1,000万円(持分10分の2)の贈与をしたとみなされる可能性があります。

(2,500万円-1,500万円=1,000万円)

また、連帯債務である場合、夫のローン控除は

年末のローン残高×7/10×1%

ではなく

年末のローン残高×1/2×1%

で計算されますので、当初の計画よりも控除額が減ってしまいます。

夫婦の連帯債務型住宅ローンを取扱っている金融機関(中部東海地方)

連帯債務型の住宅ローンが利用できる金融機関の一例です。

三井住友銀行

連生団体信用生命保険付住宅ローン「クロスサポート」

三十三銀行

連帯債務住宅ローン

八十二銀行

夫婦連帯債務住宅ローン

大垣共立銀行

連帯債務型「ツヴァイ」

静岡銀行

ガン保証付き夫婦連生団信住宅ローン「しずぎん愛のカタチ」

※利用条件については各銀行により異なります。

東海労働金庫

夫婦連生団信付き住宅ローン

※フラット35については取り扱いのある各金融機関において、連帯債務の選択が可能です。

夫婦連帯債務型住宅ローンの特徴と注意点

夫婦連帯債務型住宅ローンの特徴=夫婦連生団信の特徴といっても良いかもしれません。

連帯債務型の住宅ローンを借りる場合は、夫婦連生団信(団信)に加入します。

その場合、通常の住宅ローン金利に+0.1で利用できる場合が多いです。(金融機関によって異なります。)

1人で加入する団信と違うのは、夫婦のどちらかが亡くなったりした場合に、住宅ローン残高が0となる保険ということです。

例として夫婦で2,000万円借りた場合を考えてみます。

夫:1,000万の借り入れ

妻:1,000万の借り入れ

上記のペアローンの事例だと、万が一夫が亡くなった場合、夫の1,000万の住宅ローン残高は0になりますが、妻の1,000万円の借り入れは0になりません。

夫婦は別々に1,000万の団信に加入しているからですね。

一方、夫婦連生団信に加入している場合はどうでしょうか。

夫と妻:2,000万の借り入れ

夫婦2人で2,000万円の団体信用保険に加入できますので、どちらか1人が亡くなった場合でも2,000万円の住宅ローン残高は0になります。

最後に注意点です。

三井住友銀行の「クロスサポート」の商品説明にこんな文章があります。

連生団体信用生命保険の保険金により、ローンの免除された部分が一時所得とみなされ、
所得税の課税対象となる場合があります。くわしくは、税務署へお問い合わせください。

例えば、夫が亡くなって1,000万のローン残高が免除されたとすると、それが所得とみなされ残された妻に税金がかかる可能性もあるということです。

まとめ

妻が子供を産んでから仕事に復帰するつもりが、何らかの理由で復帰できなくなった場合は、夫1人だけの収入に頼ることになりますので、返済が厳しくなる恐れがあります。

夫婦2人がローン返済期間中は仕事を続けられるかを考慮して選びましょう。

現実的には、フラット35の連帯債務か、民間金融機関のペアローンが選択肢としては有力ですが、保険などの諸費用は増えますので少しでも諸費用が安いところを選びたいです。

同じ額の住宅ローンを1人で組んだときと比較して、連帯債務やペアローンを選択すると、住宅ローン控除が2人分受けられるメリットもあります。

でも・・借入額・収入によっては、住宅ローン控除の枠が広がる以上に保険等、諸費用が増えることもありますので十分にライフプランなどで試算したうえで選択しましょう。

一生のことですので住宅ローンの選び方やいくらまで借りてよいのか迷ったときは専門家にご相談ください。

住宅ローン控除のイメージ

住宅ローン控除とは?

正式な名称は”住宅借入金等特別控除”です。
住宅ローンを借入れて住宅を取得する場合に、毎年末の住宅ローン残高の1%が10年間に渡り所得税から還付される制度です。
新築だけでなく中古住宅やリフォームをする場合にも対象となります。
所得税からは控除しきれない場合には、住民税からも控除されます。
簡単に言うと、10年間、支払った所得税や住民税から一定の計算式により、お金が戻ってくる制度です。

住宅ローン控除の対象となる住宅は?

・床面積が50㎡以上であること。
(リフォームの場合は増改築後の面積が50㎡以上)

・床面積の1/2以上が自分の居住用であること
(1/2以上が店舗用であったりすると対象外となるので注意。)

・耐火建築物(鉄筋コンクリートなど)は築後25年以内
耐火建築物以外(木造など)は築後20年以内

・リフォームは増改築の工事費が100万円を超えること。

・生計を一にする親族からの購入ではないこと。

などが主な条件です。

住宅ローン控除の対象となる住宅ローンは?

・金融機関、勤務先からの借入金で、返済期間が10年以上のもの。

注意点:対象とならないケース
・親族からの借入金
・役員の勤務先からの借入金
・無利子また1%に満たない利率での勤務先からの借入金

などが主な条件です。

住宅ローン控除が使える方は?

・合計所得金額が3,000万以下
・取得の日から6カ月以内に入居し、控除を受ける年の12月31日まで引き続き入居していること

などが主な条件です。

控除額は?

平成26年4月~平成31年6月の間に住み始めた方は以下の控除額です。
※これより前の居住年の方は国税庁のページで控除額をご確認ください。

[table id=1 responsive=”tablet” /]

※1 消費税が8%または10%の場合

※2 長期優良住宅、低炭素住宅の場合は500万円(平成26年4月~平成31年6月)

住宅ローン控除の活用方法

シュミレーションしてみましょう。

夫:会社員 妻:専業主婦
所得税       約15万円
住民税       約25万円
年末ローン残高    3,500万円

この場合、住宅ローン控除の初年度の最大枠は
3,500万円×1%=350,000円

所得税を控除すると枠の残りは
350,000万円-150,000万円=200,000円

残り20万は住民税から控除したいところですが・・

住民税から控除できるのは136,500円までと決められています。

200,000円-136,500円=63,500円

結果

286,500円は所得税と住民税から控除され、63,500円の枠が余ります。

住宅ローン控除はあくまで、支払った所得税や住民税から控除されるものです。所得税や住民税から控除しても枠が余ってしまうというケースもありえます。

夫婦共働きの場合は住宅ローンの選択肢が広がります。連帯債務とペアローンは、夫婦それぞれの借入に対して住宅ローン控除を受けることができます。(連帯保証は1人しか住宅ローン控除を受けられません。)

結果として、2人分の所得税と住民税が対象となり住宅ローン控除の枠が広がることになります。

しかし、注意点もありますので次回の記事でご紹介します。

住宅ローン控除の手続き方法

初年度は、所得税の確定申告が必要です。

必要書類を確認してみましょう。
[table id=2 responsive=”tablet” /]

2年目以降、給与所得者の方は「住宅借入金等特別控除申告書」に、「住宅ローンの年末残高証明書」を添付して年末調整で控除を受けることができます。「住宅借入金等特別控除申告書」は2年目から10年目までの申告書が一度に届きますので大事にとっておいてください。

万が一、無くした場合は再発行の手続きが必要ですので、税務署へお問合せください。

住宅ローン控除のまとめ

住宅ローン控除は、マイホームを検討する際の大きな助けとなる制度です。
十分に活用して、資金計画に落とし込んで頂きたいと思います。
適用要件が細かく決められていますので、十分に要件をご確認ください。
ご夫婦でローンを組まれる際は、登記の持ち分で迷われる方が多いようです。
住宅ローン控除との関わりもありますので、迷ったときはお近くの専門家にご相談ください。

参考:国税庁 No.1213 住宅を新築又は新築住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)