pointのイメージ

突然ですがお金がもらえるとしたらあなたならどちらを選びますか?(怪しい投資の勧誘ではありませんのでご安心を)

質問1、

A 今日、1万円もらう

B 1年後に1万1000円もらう

どちらを選びましたか?どちらを選んだかは覚えておいてください。

それでは、次の質問です。

質問2、

A´ 1年後に1万円もらう

B´ 2年後に1万1000円もらう

実は質問1,2の答えの組み合わせで、あなたが貯蓄の計画を守れそうなのか、そうではないのかが分かります。

AとA´を選んだ人

この人は今の価値を高く感じますから、そもそも未来の計画自体を立てないかもしれません。

BとB´を選んだ人

未来の価値を高く感じ、その好みは一貫していますので、計画通りに実行できるかもしれません。

AとB´を選んだ人

「近い未来にもらえる」と「遠い未来にもらえる」では「近い未来にもらえる」ほうがより早くもらえるのに、こちらを選びません。

「2年後はだいぶ先なので、1年待つのも、2年待つのも一緒か」という気持ちになるので、好みが変わってしまうのですね。

BとA´を選んだ人

まとめ

どのタイプが良いとか悪いとかいうことではなく、自分がどのタイプか知っておくことで、対策も立てられます。

計画は立てるけど、計画通りに実行できないというあなたは・・おそらく AとB´を選んだ人 でしょう。

AとB´タイプの人は将来の価値よりも、今を重視する性質「現在バイアス」により、後になって好みが変わりやすいことは知っておくと良いかもしれません。

貯金の計画なら、自動的に貯蓄する仕組みにするとか、小刻みに目標を立ててクリアしていくという方法が良いです。

※現在バイアスの理論については

「今日から使える行動経済学」ナツメ社

を参考にさせていただきました。

マンションを買うのか、一戸建てを買うのか。

家が欲しいなぁと思った時に多くの方が考えることではないでしょうか。

住んでみた人の感想も参考になりますが、色んな人の話を聞くとますます迷ってしまいますよね。

家を買った周りの人に聞けば、マンションを買った人は「マンションが良いよ!」と色々なおすすめポイントをあげて勧めてくれることでしょう。

また、一戸建てを買った人は「一戸建てが良いよ!」と勧めてくれることでしょう。

人は「自分が所有しているものは価値が高いと思いたい」という心理的なバイアスがかかりますから、買った人のおすすめの言葉は少し冷静になって分析する必要があります。

この記事では、マンション、一戸建てのメリット・デメリットをまとめてみましたので家探しの参考にして頂けれると思います。

マンションのメリット

防犯性

まずは防犯性の高さが挙げられます。

新築マンションはオートロックが標準仕様となっていますので、一階の共用玄関で人の出入りを制限できるというのは効果が大きいと思います。

最近では顔認証のマンションも出始めているので、こういった仕様が標準になる日も近いかもしれません。

また住人の出入りが常にあり、管理人や多くの人の目があるため不審者の犯罪を防ぐ効果も期待できます。

立地

マンションは一戸建てにくらべ、駅に近い場所など「好立地」に建てられることが多いということが挙げられます。

下図は2018年の1年間に販売された新築マンションと一戸建て住宅の戸数です。

マンションは駅から徒歩10分以内の場所を狙って分譲されていることが分かります。

立地の良いマンションは売れ筋なので、マンション業者も好立地を狙って建築します。

駅近くで、区画整理などの大規模な開発が行われると、高層で戸数の多いマンションが少なくとも1棟は建ちますよね。

戸数の多いマンションが建つとその周りに、生活施設が集まってくるので生活がよりしやすくなることもあります。

一戸建てマンション立地

出典:東京カンテイ「新築分譲マンション市場の特徴」

価格

同じような立地のマンションと一戸建てを比べると、マンションのほうが手が出しやすい価格であることが多いです。

その理由は、マンションは土地を多くの所有者で共有するから一人当たりの価格は安くなるからです。

どういうことかというと・・

例えば300坪の土地があって、そこに一戸建てを建てるとすると、一戸当たりの土地の面積は30~50坪必要です。

6~10戸の一戸建てしか建築できません。

マンションだと、300坪の土地があれば、20~30戸を分譲することも可能です。

マンション一戸当たりの土地の面積は10~15坪になるので、土地の価格が小さくなりますので、分譲価格もその分安くなります。

断熱性、気密性

これは私がマンションに住んで感じたことですが、意外と良いのが、「冷暖房が効きやい」ということです。

マンションの断熱性能にもよるところも大きいと思いますが、構造のメリットもあると思います。

マンションは上下、左右どこかにはお隣の住戸が隣接していますので、そこが断熱壁となってくれています。

外の熱気、冷気が直に伝わってくる面が一戸建てに比べれば少ないということは、あると思います。

マンションのデメリット

プライバシー

集合住宅ですので、一戸建てに比べればプライバシーの面では少々劣る部分もあります。

いくら防音性能の高いマンションでも上階で子供が飛び跳ねれば、振動が伝わることもあります。

玄関前の共用部分で住人が話をしていれば、自分の部屋の中に聞こえてきたりということは実際にあります。

一戸建てよりは、上下左右のお隣さんに少々気を使わないといけない部分はあります。

管理費、修繕積立金、駐車場代の負担

これらは一戸建てには無い費用ですから、負担に感じる方もいるでしょう。

修繕積立金は、住み始めてから値上げされることあるということは、頭に入れておいたほうが良いでしょう。

戸数が少ないほど、当初の修繕積立金の計画では足りなくなるということが起こりすいのです。

駐車場代は、立地が良いほど高くなりますので、毎月かかる費用として計算にいれておきたいです。

一戸建てのメリット

間取り、仕様の自由

建売物件でも様々な間取りがありますし、自由設計の家であれば、さらに思い通りの間取りにできます。

さらに、家の中の壁紙や、床材、キッチン、風呂、洗面台、トイレ、など自分の好みで選ぶことができるので家をつくる楽しみを味わうこともできます。

自分だけの家を建てたい!という思い入れのある方には向いているでしょう。

プライバシー

お隣との距離にもよりますが、マンションに比べてプライバシーの面では勝っているといえます。

お子さんが家の中で騒いだり、楽器を演奏したりしても大丈夫!自由な生活がしやすいというのはメリットです。

土地の価値が残る

日本の住宅市場において、住宅の価値は20~25年でほぼ0になってしましまいます。

(日本のこの慣習、評価は本当正しいのか個人的には疑問が残りますが・・)

それでも、土地の価値が無くなることはありませんので、資産として残すことが出来ます。

子供に資産として残したいなどの希望があればメリットとなるでしょう。

リフォームの自由

マンションのように大規模修繕で全戸一斉に!ということもありませんので、自分のペースで手をかけたい所に少しづつリフォームを加えていくこともできます。

内装はもちろん自由ですし、屋根、外壁なども自由に変えられます。

一戸建てのデメリット

防犯性

これはプライバシーの自由との裏返しだと思いますが、マンションと比べると防犯性では少し劣ります。

窓などの開口部が多いという構造が、防犯面では弱点となってしまいます。

一戸建てで防犯性を高めようとすれば、警備会社と契約する、防犯設備をつけるなど自分で対策をしなければなりません。

物件価格

マンションと同じような立地で、一戸建て買おうとすれば、価格はマンションより高くなる可能性が高いです。

一戸建てを建てるには、一戸当たりの面積がマンションよりも広く必要になりますし、一戸当たりの屋根、壁などの部材もより多く必要になります。

(理由の詳細は「マンションのメリット:価格」も見て下さい。)

リフォーム費用

マンションであれば修繕積立金で外装や共用部のリフォームを行うことができますが、一戸建ては自分で計画的にリフォーム費用を積み立て、準備しなければなりません。

特に、屋根や外壁は数十年ほったらかしでは性能を維持できませんから、およそ20年単位でリフォームが必要になってきます。

まとめ

住宅を検討しているときは、夢がふくらんで良い所しか目に入ってこなくなることも多いです。

マンション、一戸建てそれぞれメリット・デメリットがあります。

自分の思い描く生活をするのにはどちらが合っているのか、ライフスタイルから考える必要があります。

住んでみてから「こんなはずじゃなかった・・」とならないように、一度立ち止まって冷静にメリットとデメリットを考えてみると、より自分に合った家が見つかるかもしれません。

私立の学校法人等で働いている教職員が加入する「私学共済」制度は多くのメリットがあっていいなぁと常々思います。

臨時に使用される人や、常時勤務しない人以外は自動的に加入者となります。

これから私学共済のメリット、また、そのメリットを生かした家計の作り方をご紹介します。

傷病手当金

会社員や公務員の方は病気やケガで働けなくなったときに、「傷病手当金」を受けることができます。

3日連続で欠勤した後、4日目以降から標準報酬額の3分の2の額が最長1年6ヵ月支給されます。

それに対し、私学共済の場合は、標準報酬額の80%が支給されますのでさらに手厚いですね。

1日につき、支給開始日の属する月以前の、直近の継続した12ケ月間の各月の標準報酬月額の平均額の22分の1に相当する額の80%から、学校法人等で支払った報酬を差し引いた金額 。

日本私立学校振興・共済事業団HPより

支給開始日の属する月以前の、直近の継続した12ケ月間の各月の標準報酬月額の平均額÷ 22 × 80%

こんな計算式で計算されるということですね。

ただし、支給開始日以前の期間が12ケ月に満たない場合は別の計算方法になりますのでご注意を。

出産手当金

出産手当金についても私学共済は手厚いですね。

出産手当金が支給される期間は、原則、出産予定日の42日前から出産後56日目までの98日間です。

多胎児の場合、産前は98日前から対象期間になります。

ここまでは、会社員や公務員の方と同じですが、計算方法が異なります。

支給開始日の属する月以前の、直近の継続した12ケ月間の各月の標準報酬月額の平均額 ÷ 22 × 80%

(学校法人等で支払った報酬を差し引いた金額は差し引かれます。)

お気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、傷病手当金の計算方法と一緒ですね。

結婚手当金

加入者が結婚すると結婚手当金として80,000円が支給されます。

結婚します。「はい。80,000円」

加入者同士、つまり職場結婚とかだったら2倍の160,000万円もらえます。

うらやましいですね。

積立貯金

加入者から貯金を受け入れ、安全有利に運用する事業を行なっています。

毎月一定額を積み立てるような方式です。

その利率は・・

年利 0.25% (平成28年10月1日からの適用利率)

一般の普通預金の金利と比べたらかなり有利ですね。

しかも見逃せないのは「半年複利」だということです。

利息がつくタイミングが1年に2回あるので、「1年複利」より有利です。

(1年複利は1年に1回しか利息はつきません。)

年金制度について

今後の少子化や、高齢化が進む中で年金制度の安定性、公平性を保つために厚生年金と共済年金の一元化が行われました。

この一元化により、会社員に適用されていた厚生年金が私学教職員及び公務員にも適用されることになりました。

まとめ

私学共済のメリットを見ていくと、うらやましいメリットや特徴がたくさんあります。

ただし、年金の一元化によって、共済年金の有利な部分は少なくなったともいわれます。

共済年金にとって年金の一元化は、年金制度の安定性を保つ意味ではデメリットではないのかもしれませんが、専門家の間でも意見の分かれるところです。

いずれにしても、傷病手当金、出産手当金などのメリットの内容はしっかり確認したうえで、足りない部分だけ保険などで補えば、無駄のない家計にすることができます。

共済定期保険制度もありますので、民間の保険と比較しながら無駄なく保険に加入しましょう。

住宅ローンを検討されている方は「返済負担率」という言葉をよく耳にされたことはあるでしょうか。

返済負担率は「年収に占める住宅ローンの年間返済額の割合」です。

簡単に言うと「年収500万円のうち100万円を住宅ローン返済にあてていたら、返済負担率20%ですね」ということです。

返済負担率は本来、銀行などの金融機関がその方にいくらまでのローンなら貸しても大丈夫か?

ということを判断する基準となるものです。

年収より手取り年収のほうが当然少ないですので、どちらで返済負担率を計算するのかで結果は変わってきます。

同じ返済額でも、「手取り年収」で計算した場合の返済負担率より、「年収」で計算した返済負担率の方が低くなります。

つまり、年収だけで返済負担率を判断すると少し甘めの結果が出ることもあるのです。

「年収」の返済負担率だけで判断すると後々、後悔することにもなりかねません。

「年収」と「手取り年収」でそれぞれ返済負担率を計算してみると、どのような結果になるのかご紹介します。

「年収」と「手取り年収」の返済負担率の違い(年収別)

住宅ローンの条件:3,000万円の借入

借入金額3,000万円
金利タイプ35年固定
金利1.34%
返済期間35年
ボーナス返済なし
毎月返済額89,667円

上記の住宅ローン、毎月返済額:89,667円 年返済額:1,076,004円 の場合の返済負担率

年収返済負担率(A)手取り年収返済負担率(B)返済負担率の差(B-A)
400万円26.9%330万円32.6%5.7%
500万円21.5%400万円27.0%5.5%
600万円17.9%480万円22.4%4.5%
700万円15.3%550万円19.6%4.3%
800万円13.5%610万円17.6%4.1%
900万円12.0%680万円15.8%3.8%
1000万円10.8%740万円14.5%3.7%

※借入可能金額を保証するものではりません。

上記と同じ条件の住宅ローン2,000万円、毎月返済額:59,778円 年返済額:717,336円 の場合の返済負担率

年収返済負担率(A)手取り年収返済負担率(B)返済負担率の差(B-A)
400万円17.9%330万円21.7%3.8%
500万円14.3%400万円17.9%3.6%
600万円12.0%480万円14.9%2.9%
700万円10.2%550万円13.0%2.8%
800万円9.0%610万円11.8%2.8%
900万円8.0%680万円10.5%2.5%
1000万円7.2%740万円9.7%2.5%

※借入可能金額を保証するものではりません

返済負担率の表から分かること:まとめ

当然ですが、どの年収においても「手取り年収」の返済負担率(B)のほうが大きくなっています。

この表から分かることで重要なのは、借入額が増えるにしたがって、また年収が下がるにしたがって、「年収」と「手取り年収」の返済負担率の差が大きくなっているということです。

つまり、「年収」の返済負担率だけで判断すると・・

「年収の返済負担率では大丈夫かなと思ったけど、実際に返済が始まってみるとだんだん苦しくなっていく・・」

という状況が生まれやすいといえます。

ここまででお分かり頂けたと思いますが、返済負担率で判断するにしても、「年収」で考えるのか「手取り年収」で考えるのかで結果が違ってきます。

返済負担率は一つの目安にはなりますが、これだけで判断するのはとても危険です。

本当に、住宅ローンを返済していっても家計が将来も安心なのかを確かめる方法は一つしかありません。

それは、将来にわたっての収入と支出をシュミレーションした「ライフプラン」です。

以前にライフプランの重要性について書いていますので、気になる方は下記の記事も参考にしてください。

住宅ローンの返済負担率25%なら家計は安心なの?

 

マンションから新築住宅に住み替えを検討しているAさん。

「新築で5,000万円で買ったマンションも今売ると2,000万円か・・」

立地、物件の希少性が高いなどの例外は除いて、マンションを売却すると、ほとんどの場合は買った時より低い金額で売ることになりますよね。

でも、この売却損を少しでも取り戻せる方法があります。

それが「譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例」です。

あまり聞き馴染みのないフレーズだと思いますが、この方法を使えば税金が戻ってきて、損失分の穴埋めをすることができます。

この特例は、「マイホームを買い替えた場合」でも「マイホームを売却した場合」でも、2つのパターンで使えるので良いですね。

これから、マンション売却で損をした場合に税金が戻ってくる制度の詳しい内容とその申告の方法について詳しく解説していきます。

 

マンションを買い替えた場合、譲渡損失を申告することでどれだけの税金が戻ってくる?

マイホームを売却して損失(譲渡損失)が出たときは、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。(一定の要件があります。)

さらに、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができます。

住宅借入金等特別控除制度、いわゆる住宅ローン控除とも併用できるのもうれしいですね。

 

【例:平成7年に5,000万円で購入し、平成31年に2,000万円で売却。5,000万円の新たなマイホームを3,000万円の住宅ローンを組んで購入した場合】

3年間の年収と所得税は下記の通りとします。

平成31年~33年 年収700万円(所得税52万円)

 

譲渡損失の計算

2,000万円-(5,000万円-1,620万円)-72万円=△1,452万円

※1,620万円(減価償却費)、72万円(手数料等)

減価償の計算式:建物購入代金 × 0.9 × 0.015 × 経過年数

 

【平成31年の所得税額】

損益通算

700万円-1,452万円=△752万円

所得税は全額52万円が還付。△752万円の譲渡損失は翌年へ繰り越し。

 

【平成32年の所得税額】

損益通算

700万円-752万円=△52万円

所得税は全額52万円が還付。△52万円の譲渡損失は翌年へ繰り越し。

 

【平成33年の所得税額】

(700万円-180万円-52万円)×20%-42.75万円 =50.85万円

※180万円(所得控除)

所得税は1.15万円が還付。

 

3年間で、なんと合計105万円ものお金が戻ってきます。

 

ただし・・この特例には適用条件があります。

どのようなマイホーム、どのような人が適用になるのか次で見ていきます。

 

マイホームを買い替えた場合の適用条件

 

ここまでは、「マンションを買い換えた」場合をみてきましたが、次に、買換えはせずに「マンションを売却」するだけの場合もみていきましょう。

 

マンションを売却した場合、譲渡損失を申告することでどれだけの税金が戻ってくる?

住宅ローンのあるマイホームを住宅ローンの残高より低い価額で売却して損失(譲渡損失)が生じたときは、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。(一定の要件があります。)

さらに損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができます。

住宅借入金等特別控除制度、いわゆる住宅ローン控除とも併用できます!

 

【例:平成22年に5,000万円で購入し、平成31年に2,000万円で売却。住宅ローン残高が3,000万円】

2年間の年収と所得税は下記の通りとします。

平成29年~30年 年収700万円(所得税52万円)

 

【A】2,000万円-(5,000万円-607万円)-72万円=△2,465万円

※607万円(減価償却費)、72万円(手数料等)

減価償却の計算式:建物購入代金 × 0.9 × 0.015 × 経過年数

 

【B】2,000万円-3,000万円=△1,000万円

 

【A】【B】と比べて損失の少ないほう△1,000万円が譲渡損失となります。

 

【平成31年の所得税額】

損益通算

700万円-1,000万円=△300万円

所得税は全額52万円が還付。△300万円の譲渡損失は翌年へ繰り越し。

 

【平成32年の所得税額】

(700万円-180万円-300万円)×20%-42.75万円 =1.25万円

所得税は50.75万円が還付。

 

2年間で、なんと合計102.75万円ものお金が戻ってきます。

 

どのようなマイホーム、どのような人が適用になるのか次で見ていきます。

マイホームを売却した場合の適用条件

 

確定申告に必要な書類

特例を受けるためには確定申告書に下記の書類を添付して提出する必要があります。

必要:〇 不要:―

必要書類 買換えの場合 売却のみの場合 入手先
売却資産の登記事項証明書 〇 〇 法務局
買換資産の登記事項証明書 〇 ― 法務局
除票住民票 〇 〇 旧住所の市町村
新しい住民票 〇 ― 新住所の市町村
譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表) 〇

「居住用財産」

〇

「特定居住用財産」

国税庁
譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書 〇

「居住用財産」

〇

「特定居住用財産」

国税庁
住宅借入金残高証明書 〇

買換資産のもの

〇

売却資産のもの

金融機関

 

まとめ

「譲渡損失の損益通通算及び繰り越し控除の特例」は、マンションに以外の住宅用不動産にも使える特例です。

ありがたい制度なのですが、あくまで確定申告時に申告した人だけが使える特例です。

誰も「あなたは申告したほうが良いですよ」と教えてくれませんし、あなたが何もしなければ税金は戻ってきません。

確定申告すれば税金が戻ってくるのは知っていたけど、1万、2万得するだけだったらわざわざ申告するのもめんどくさいと思った方も、どれだけ戻ってくるかを正しく知ったうえで、ぜひ申告してみてください。

がん保険の「支払限度日数無制限で保障します」という文言をよく見かけます。

ぱっと見ると、「がんで長期入院になったら怖いから、何日でも保障してくれるならありがたいなあ」と思うかもしれません。

でも、これはちゃんと保険会社が損をしない仕組みになっているのです。

データを見れば、がんで長期入院になる可能性は思ったより低いことが分かります。

がんになると何日ぐらい入院するのか

がん(悪性)になった人の平均入院日数(単位:日)

がんの種類 総数 0~14歳 15~34歳 35~64歳 65歳以上 75歳以上
胃のがん 19.3 5.5 12.1 13.9 21.0 25.7
結腸および直腸のがん 18.0 8.0 10.8 13.5 20.0 24.5
肝および肝内胆管のがん 18.8. 47.8 12.1 15.8 19.3 21.6
気管、気管支および肺のがん 20.9 10.1 9.8 16.7 22.3 26.9
乳房のがん 12.5 ― 6.8 8.9 15.9 19.8

厚生労働省平成26年度患者調査の概況より筆者作成

思ったより短くないですか?

がんになると何ヶ月も入院しないといけないようなイメージですが平均はこれぐらいです。

長期をの入院をする人も一定数いると思いますが、多くの人は長くても1ヶ月半ぐらいの入院日数で済むといえるのではないでしょうか。

保険会社が「支払限度日数無制限」の保障をしてくれる理由はここにあります。

そもそも「がんで長期入院をする人は少ない」から支払限度日数無制限にできるということです。

次に、がん以外の病気になったときは平均で何日ぐらい入院することになるのか、比較してみます。

がん以外の病気にかかったら何日ぐらい入院するのか

がん以外の病気になった人の平均入院日数(単位:日)

病気の種類 総数 0~14歳 15~34歳 35~64歳 65歳以上 75歳以上
糖尿病 35.5 13.0 14.1 20.0 47.4 65.2
高脂血症 29.4 1.0 4.5 7.4 62.3 83.8
精神および行動の障害※ 291.9 36.2 60.1 204.4 523.0 473.0
アルツハイマー病 266.3 _ _ 217.8 267.4 257.6
高血圧性疾患 60.5 8.9 11.0 13.8 68.4 83.3
心疾患(高血圧性を除く) 20.3 30.5 10.2 9.0 23.7 30.5
脳血管疾患 89.5 20.7 44.6 46.9 100.7 116.0
肺炎 29.7 6.1 9.2 16.2 36.2 38.4

厚生労働省平成26年度患者調査の概況より筆者作成

※血管性および詳細不明の認知症、統合失調症、統合失調症型障害および妄想性障害、気分障害(躁うつ病を含む)

「精神および行動の障害」や「アルツハイマー病などの神経系の疾患」が特に長く、次に「高血圧、心臓、脳血管などの循環器系の疾患」が長くなっています。

がんの入院より長い入院になる病気も多いですね。

がん以外の病気に備える医療保険こそ、支払限度日数無制限の保障がついていればいいなとも思いますが、残念ながら少ないです。

三大疾病、七大疾病については支払限度日数制限の商品もありますが、「精神および行動の障害」や「アルツハイマー病などの神経系の疾患」の長期入院を保障してくれる医療保険はほとんどないということは知っておくべきでしょう。

医療保険の入院日数は30日、60日、90日、120日など保険会社、商品によって違いがあります。

当然、保障される入院日数が多くなるほど、保険料も上がります。

まとめ1:がん保険の決め手

データを見れば、がんで長期入院する人は少ないので「支払限度日数無制限」が、がん保険のメリットとは言えないと思います。

がんになった人の多くは、60日以内の入院で済み、あとは通院で治療というイメージです。

短い入院で済んだけど、長期間通院しなければならないこともあるでしょう。

「支払限度日数無制限」より、メリットがありそうなのは「診断給付金」です。

「がんと診断されたら100万円」など、入院日数や治療内容にかかわらず、まとまったお金がもらえる仕組みです。(通院の治療だけだと診断給付金はもらえない保険もあるので注意。)

入院が長くなっても、通院が長くなってもどちらにも使えます。

「診断給付金」のもらいやすさが、がん保険を選ぶ際の決め手だと思います。

保険会社、商品によって受け取り回数は1回のみの保険もあれば、2回の保険もあります。

また、上皮内新生物(初期のがん)の保障についても異なりますので、これらの条件をじっくり比較したいです。

まとめ2:医療保険の考え方

データから、「がん」より「がん以外の病気」のほう入院日数が長くなる可能性が高いことが分かります。

60日の入院保障だと足りなく場合もあります。

120日の入院保障にしても「精神および行動の障害」で入院したら足りなくなる可能性があります。

730日まで入院保障してくれる医療保険もありますが、当然保険料は上がります。

また、「7大疾病による入院は日数無制限」などの特約を付けられる医療保険もありますが、保険料は上がりますので保険料との兼ね合いで選択したいです。

保険の本当の役割が「めったに起こらないが起こった時には経済的打撃が大きい事に備える」ということであるならば、60日までしか保障しない医療保険にどれだけの意味があるのか疑問は残ります。

最近まで、入院が60日を超えた場合から保障する商品もあったのですが販売中止になりました。

きっと売れなかったのでしょうね・・

個人的にはこういう商品が医療保険の本来の役割を果たせるのだと思いますが、「売れる医療保険」と「経済合理性の高い医療保険」は同じではないのですね。

医療保険が本当に困ったときに助けてくれるのか理解したうえで、必要なのかを考え加入を検討したいです。

入院1日から保障してくれる医療保険は本当に必要ですか?

会社員として働いているなかで、妊娠、出産で産休・育休をとることになると、収入が減ってしまうことは避けられません。

こんな時に社会保険の支払いはどうなるのか・・心配ですよね。

この辺は国もちゃんと考えてくれていて、会社員として健康保険料と厚生年金保険料を払っている方は、産休時、育休時、両方とも免除されます!

例えば、子供が1歳になるまで産休・育休をとったとすると1年分以上の社会保険料が免除されます。

社会保険料はいくら免除されるの?

それではいくら免除されるのか、愛知県の場合を年齢別・年収別で見ていきましょう。

社会保険料負担の目安(40歳~64歳まで以外の方)

 健康保険料厚生年金保険料
年収400万円16,830円31,110円
年収500万円20,295円37,515円
年収600万円24,750円45,750円
年収700万円29,205円53,985円

※全国健康保険協会のHPより筆者作成

40歳以下、年収500万円の人の場合

健康保険料 20,295円 × 12カ月 = 243,540円

厚生年金  37,515円 × 12カ月 = 450,180円

合計で 693,720円 免除されます!

社会保険料負担の目安(40歳~64歳までの方)

 健康保険料厚生年金保険料
年収400万円19,499円31,110円
年収500万円23,514円37,515円
年収600万円28,675円45,750円
年収700万円33,837円53,985円

※全国健康保険協会のHPより筆者作成

40歳以上、年収700万円の人の場合

健康保険料 33,837円 × 12カ月 = 406,044円

厚生年金  59,985円 × 12カ月 = 719,820円

合計で 1,125,864円 免除されます!

年金の受け取り金額が減らされたりしないの?

免除された分も全額、年金保険料を支払ったものとして扱われるので、将来の年金が減額されたりということもありません。

他の納付猶予や免除の制度では年金額が減額されたりしますので、かなり優遇された制度といえますね。

(例えば、学生納付特例は加入期間に計上するが、追納しないと年金額には反映されない。)

社会保険料の免除は申請が必要です。

産休・育休を取ったら自動的に免除になる仕組みではありません。

被保険者が産休・育休に入っている時に事業主が申請をする必要があります。

会社が当然に免除の申請をやってくれるだろうと思っていたら、申請されていなかった・・ということにならないよう自分でもしっかり確認しましょう。

産休・育休で別々の書式になります。

日本年金機構のホームページから書式をダウンロードできますので、参考にしてください。

まとめ

産休・育休を取りたい会社員の方にとっては非常に有利な制度であることがお分かり頂けたと思います。

制度の内容を確認して、申請を忘れないようにしてください。

ここで「私は会社員ではない、自営業者などの国民年金の第1号被保険者の場合はどうなの?」と気になった方もいると思います。

残念ながら現在は免除制度は適用されませんが、平成31年4月以降は、国民年金のみに加入している人(年金の1号被保険者)も免除制度の対象になります。

ただし・・産休中の国民年金保険料は免除になりますが、育休中は免除されません。

また、産休中も育休中も国民健康保険料は免除されません。

社会保険の公平性からいって不平等のような気もしますので、皆が平等に免除されるべきだと思いますが、現状はこのような制度になっています。

先日「生命保険会社が銀行窓口などを通じて販売する「外貨建て保険」で苦情が急増」との記事が新聞社のネット記事に出ていました。

特に60歳以上の高齢者からの苦情が多く、12年度の調査に比べ17年度は5倍近くに増えているとのことです。

外貨建て保険とは、米ドル、豪ドルなどの外貨で積立て運用し、保険金の受け取りも外貨で行われる商品です。

外貨建て保険については多くの専門家はもちろん、金融庁までが問題点を指摘しているのにもかかわらず、保険会社、銀行の販売姿勢が変わっていないことに対しては、残念な気持ちと共に怒りも覚えます。

私も若いころに、保険屋さんの「保険の機能もあるし、金利が高い外貨で運用するのできっと将来増えますよ。」という甘いセールスに引っかかってしまい痛い失敗をしましたので、まったく他人事ではありません。

その時は、なんとなく「外貨で運用する」というのがカッコ良い響きがして加入してしまいました。

(自分の浅はかさを反省しながら、解約控除金という名の高い授業料を支払ってすでに解約しています。)

保険はライフプランにおいて重要な要素となるので、失敗はして欲しくありません。

保険選びで間違いをおこすと大きな損失を被ることもあります。

外貨建て保険はなぜおすすめできないのか、その理由について詳しく説明していきます。

外貨建て保険をおすすめできない理由

 理由1 販売手数料が開示されていない

販売手数料はほとんど開示されていませんが、4~9%ぐらいといわれています。

投資信託で比較的手数料が高い商品でも2~3%です。

保険会社が積極的に外貨建て保険を売る理由が分かりますよね。

手数料が高いのはもちろんのこと、そもそも開示されていないというのが一番の問題でしょう。

誤解して欲しくないのは手数料を取るなと言っているわけではありません。

商売ですから、適正な手数料を頂いて利益を得るのは当然のことです。

適正な手数料を開示したうえで、納得した人に買ってもらうべきなのです。

投資信託は手数料の開示がされています。

同じ金融商品なのになぜ、保険なら手数料を開示しなくて良いのでしょうか?

その正当な理由はまったく思い当たりませんので、保険の手数料も自主的に開示されるべきです。

 理由2 為替リスク

寄せられた苦情の半分近くが「元本割れリスクについての説明不足」だったようです。

例えば、1ドル=100円の場合と、1ドル=80円の場合を比較すると、20%もの為替差損を被ります。

例え外貨で運用して日本円より高い金利を得られたとしても、為替差損がそれを上回ればトータルでは損をしたことになります。

そもそも経済原理からみると、通貨の金利が高いということは、信用力が低いということです。

高い金利を支払わないと買ってもらえない通貨であるといえます。

長期的には信用力の低い通貨は価値が下がり、インフレが進行することで、通貨安になっていく傾向にあります。

その通貨からみれば円高になっていくということです。

大幅な円高になれば為替差損を被ります。

実際に相談者の方から聞いた話では「今は円安ドル高傾向ですから、しばらくはこのままですよ~」というセールストークをされたそうです。

保険をセールスする方が為替の変動を正確に予想できるというならば、自分で為替取引を行えば大儲けできますよね。

保険を売っている場合ではありません。

為替の楽観的な見通しを強調する人がいたらまず、怪しいと疑ってください。

 理由3 満期前に解約すると大きく目減りする

満期前に解約すると解約控除費用が差し引かれます。

解約控除費用とは、「契約後、一定期間内の解約時に積立金から控除される費用」です。

保険会社が「独自の計算方法で導き出した金額」が費用として差し引かれるというわけです。

ある生命保険会社の米ドル建て終身保険、25年満期の商品を3年目に解約すると・・

(1ドル=100円が継続したとして)

積み立てた額の 61.3% しか戻ってきません。

10年目の解約でも 86.3% です。

開示されている情報が限られているので分岐点は不明ですが、少なくとも20年目より前に解約すると元本割れしてしまうことは確かです。

ちなみにこの会社は情報を開示しているだけまだ良心的です。

「控除額については、経過期間などにより異なるため、一律には記載できません 。」などの一言で開示されていない会社がほとんどですので。

外貨建て保険でなくては目的は果たせないのか?

外貨での運用をやりませんか?といわれたらすぐにやります!という人は少ないと思います。

それが、保険と外貨が合体するとなぜか加入してしまう・・不思議ですね。

商売としては日本人の保険好きな心理をついた上手い商品だなぁとは思います。(皮肉をこめて)

保険にも加入したくて、外貨での運用もやってみたいということであれば、外貨建て保険が唯一の選択肢というわけではありません。

保険は保険だけで加入して、外貨は外貨だけで切り離して運用すれば良い話です。

外貨なら外貨預金、FX、外貨建ての投資信託などで運用できます。(高レバレッジでの取引にはくれぐれもご注意を)

どのような目的で外貨建て保険を検討するかにもよりますが、必要となる時期が決まっている資金を外貨建て保険で運用するのだけはおすすめできません。

保険料、満期解約金、解約返戻金を受けとりたいけど円高になっている・・という場合は、ドルのまま据え置ける時間的な余裕があれば、為替リスクも少しは減らせます。

将来、円安になる時期をじっく待って受け取る選択も可能になりますので。(円安になる時期が来るとは限りませんが)

外貨建て保険を検討する余地のある人がいるとしたら、「必要となる時期が決まっていない余剰資金で、多少多めに手数料を払っても、手間をかけずに、保険と外貨運用を行いたい」という限られた条件にあてはまる人だけです。

まったく知識がない状態で、保険を売る側のセールストークに対抗するのは困難です。

保険を検討する際は最低限の知識を得てから窓口に足を運んでください。

予備知識なしに保険を買いに行くのはあまりに無防備です。

さらに、大原則として「自分が少しでも理解できない商品」は買わないということです。

最低限、この原則を守っていれば自分と家族を守ることができます。

新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。

今年もみなさんのお役に立てるような記事を少しでも多く書いていければと思います。

「幸福につながるライフプラン」というのが自分の仕事の大きなテーマの一つでもあります。

テーマが少し大きすぎる気もしますが、新年なのでいつもと違った視点でライフプランを考えてみたいと思います。

英国の研究によると・・

人が感じる幸福感の度合いを年齢別グラフにすると、人生の始まりと終わりでは高く中年期で落ち込むという、「U字型曲線」を描くといいます。

幸福度がU字型曲線になるのは、配偶者の有無、収入、仕事、子供などに関わらず世界共通だそうです。

これは英ウォーリック大学の研究報告によるものです。

幸福度のグラフ

※筆者がイメージして作ったグラフです。

さらに英ウォーリック大学と米ダートマス大学の経済学者チームが80か国200万人の精神的健康に関するデータを分析し、英国では男女ともに44歳前後で気持ちが落ち込む可能性が高いという結果も出ています。

米国では女性は40歳前後、男性は50歳前後と、男女間で差がみられます。

国による差も多少あるようですが、この結果から44歳前後で幸福度が一番落ち込んで、50歳ぐらいからふたたび上昇していくようなイメージが浮かびますね。

私も40代、まさにグラフの一番底ですのでまったく他人ごとではないです・・

ライフプランで行える対応策

じゃあ、これを知ったうえでどうしたらいいの?ということですが気分が落ち込みやすい年代だということを知っておくことが必要なのではないかと思います。

研究結果が出ているので気分が落ち込むのはしょうがないね!と思うことができれば、なんとなくあきらめもついて吹っ切れる気がします。

精神面の対策は専門外なのでこれぐらいにして、ライフプランにおいてはどのような対応が可能か考えてみます。

金銭面、人生のイベントなどでなるべく44歳前後に精神的負荷のかからないプランにするというのは一つの方法だと思います。

44歳前後に極端に貯蓄を減らしてしまうライフプランだと精神的にも不安になります。

また、この時期に盛りだくさんの人生のイベントが重なる計画にしてしまわないことでしょう。

自分の精神的な強さと相談しながら、結婚、出産、仕事のピーク、転職などの人生の大きなイベントが短期間に重ならないように少し余裕のあるライフプランにしたいですね。

そして、自分が楽しくなるようなイベントも計画することができればよりベストではないでしょうか。

・・と自分にも言い聞かせているつもりです。

民法の改正によって2020年4月1日から、配偶者の居住権が認められるようになります。

「配偶者が自宅に住む権利があるのは当たり前でしょう。」といわれてしまうかもしれませんが、一旦相続が起こると、当然の権利ではなくなってしまう場合もこれまではありました。

どのような場合かというと、遺産分割で他の相続人と財産を分ける時に、財産が自宅のみ、または現金などの分けやすい財産が少ない場合です。

自宅を売ってお金に換えないとスムーズに遺産分割ができない場合ですね。

そうなると配偶者は自宅に住み続けることはできなくなります。

配偶者が自宅をもらえたとしても、その他の相続人が現金などをほとんどを相続する形だと、現金が少ししか手に入らない、また、自宅のみで現金などはまったく無しという場合もあり、残された配偶者の生活が苦しくなることもあります。

このような配偶者の抱える問題を背景に、配偶者の生活を安定させる目的で配偶者居住権が創設されました。

配偶者居住権が導入されるとどうやって分割できる?

下記は残された妻と1人っ子の子供が、相続人になる場合です。

1、現状の制度

配偶者相続の現行制度

法務省HPより

現行制度において、配偶者は自宅と預貯金500万円のみ相続することになります。

妻に預貯金があまりない場合、500万円だけだと自宅がもらえても生活が心配ということもありえるでしょう。

2、配偶者居住権が導入された場合

配偶者居住権の新制度

法務省HPより

新しい制度においては、自宅に住み続ける権利(居住権)と預貯金1500万円を手に入れることができますので、その後の生活も安心ですね。

このケースだと親子2人が相続人なので、配偶者居住権を使うまでもなく実際に揉めることはそんなに多くないと思います。(こればかりは子供の経済状況、性格にもよりますが・・)

多くの場合では、「とりあえず母さんが暮らしやすいように相続してよ」となる場合が多いので、子供が親に対して自分の相続分をことさらに要求するケースは少ないと思います。

もめそうなのは血のつながらない相続人同士です。

このようなケースだとどのような事態が考えられるのか見ていきます。

妻を亡くした父親の子供と、その父親の後妻

父親(62歳)は妻を7年前に亡くしたが、再婚した。

前妻との子供は2人いるが、後妻とは折り合いが良くなく、父が亡くなったあと後妻が財産を相続するのも快く思っていない。

実際に、父親が亡くなった後に後妻が居住権を主張するとどうなるでしょうか?

後妻は居住権があるので自宅に住み続けることができます。

一方子供2人は、自宅の所有権は相続できたとしても、自宅を売ることもできません。

同居という選択肢は・・もちろんないでしょう。

さらに、子供が相続したのは「負担付の所有権」です。

自宅に住むことはできないのに、固定資産税の負担は負わなければならない可能性が高いです。

夫を亡くした妻(子供なし)と夫の兄弟

子供のいない夫婦の場合でも、夫が亡くなったら当然に妻がすべての財産を相続できると思っている方は意外に多いです。

結論から言うと遺言なしには妻がすべて相続することはできません。

夫の兄弟姉妹にも4分の1の法定相続分があります。

民法改正前は、「夫の兄弟姉妹によって自宅を追い出される妻」ということもありえましたが、民法改正後は少なくとも、そのようなことはなくなります。

しかし、自宅が先祖代々の家だった場合、兄弟姉妹の立場からしてみれば、まったく血縁の無い兄弟姉妹の配偶者が自宅へ住み続け、しかも固定資産税は自分たちが支払わなければならないとなったら拒否反応を示すこともあるでしょう。

このように、配偶者居住権を主張することで亡夫の兄弟姉妹との関係が悪くなることは想像がつきます。

まとめ

配偶者が居住権を主張すれば、他の相続人には何らかの不利益がありますので、あまり快く思われないこともあるでしょう。

妻の立場からいえば、できることなら、夫の生前に遺言を書いておいてもらいたいところです。

夫が遺言を書いておけば妻に自宅を残したいという意思を示すことができ、もめるリスクも減るのではないでしょうか。

ここまで見てきた通り、配偶者居住権は「最後の切り札」です。

できることなら、配偶者居住権を主張して他の相続人と対立するようなことにならないように、相続が起こる前に事前の対策を検討しておきたいところです。