最近の金利の動向から住宅ローンを借りるときに気をつけるべきことは

住宅ローン金利に影響を与える長期金利と短期金利の動向
本題に入る前にここはポイントなので押さえてください。
・住宅ローンの変動金利は短期金利に連動する
・住宅ローンの固定金利は長期金利に連動する
2024年末から2025年にかけて、日本の金融政策は大きな転換点を迎えています。
日本銀行は長年続けてきた「マイナス金利政策」を2024年3月に解除し、以降は段階的に政策金利の引き上げに踏み切っています。
これにより、住宅ローンの変動金利に影響を与える短期金利は上昇傾向にあります。
一方、固定金利に影響を与える長期金利(10年国債利回りなど)も2024年後半からまたじわじわと上昇しています。
これは、インフレ率の上昇や日銀の金融緩和政策の縮小、世界的な金利上昇(特に米国の高金利維持方針)などが影響しています。
ただし、急激な上昇ではなく、あくまで「緩やかな引き締め」姿勢が続いている状況です。
これらの短期金利と長期金利の上昇が住宅ローン金利にどのような影響を与えるのか考えてみたいと思います。
長短金利の動きが住宅ローンに与える影響
1. 変動金利型住宅ローン(短期金利に連動)
先にも書きましたが、変動金利型は日銀の政策金利(無担保コール翌日物金利など)に大きく影響されます。
2024年にマイナス金利が解除され、2025年には0.5%まで利上げが続いており、これにより今後、変動金利の上昇が見込まれます。
日本の住宅ローンでは半年ごとの金利見直しや「5年ルール」「125%ルール」などの制限があるため、返済額が急激に上がることは避けられる設計になっています。(5年ルール、125%については下記の記事も参照ください。)
ただし、5年ルール、125%ルールは返済額が急激に増えることを避ける仕組みであって、総返済額を減らす仕組みではありません。
金利上昇のために生じた未返済分は、住宅ローン契約の終盤に返済を求められるかもしれません。
これらのルールによって未返済分を後倒しした結果、後から予想以上の金額を追加で返済しなくてはいけない・・という可能性もあります。
このような状況になる確率は低いかもしれませんが、頭の隅にはいれておくべきことでしょう。
※5年ルール、125%ルールがない金融機関もあります。
2. 固定金利型住宅ローン(長期金利に連動)
固定金利型(フラット35など)は、主に長期金利(10年国債利回り)に連動します。
2024年から2025年にかけては、長期金利も1.0%前後まで上昇してきており、それに合わせてフラット35の金利も年1.8〜2.0%前後に上昇しています(2025年7月時点)
これから住宅ローンを借りる人がやるべきこと
1. 金利の先行きを見据えた金利タイプの選択
今後の金利が「緩やかに上昇する」と予想する場合の基本的な考え方は
- 低金利の恩恵を受けたいが、将来的な上昇リスクも考慮したい人は、変動金利または固定期間選択型(例:10年固定)を選ぶのが一つの手です。
- 金利上昇リスクを完全に排除したい人や、資金計画を確実に立てたい人はフラット35などの全期間固定金利を検討すべきです。
変動金利と固定金利の差は、2025年7月時点で以下のような水準です。
| 金利タイプ | 金利(目安) |
|---|---|
| 変動金利 | 約0.6〜0.9% |
| 10年固定 | 約1.4〜2.0% |
| フラット35 | 約1.8〜2.0% |
現状だと10年固定金利とフラット35の金利差はそれほど大きくないので、固定金利を選ぶ際はフラット35の優先度が高くなると考えます。
2. 資金計画の見直しとストレステストの実施
例えば35年ローンで3,000万円を借りる場合、金利が1.0%から2.0%に上がると月々の返済額は1万5千円程度増加します。
したがって、ローンを組む際には以下をチェックしましょう。
- 将来の金利上昇に耐えられるか試算する
- 余裕をもって返済できる借入額に抑える
- 万が一に備えて生活防衛資金を確保する
3. 住宅購入の「タイミング」も慎重に検討
2025年の後半以降、インフレがある程度落ち着けば日銀の追加利上げはやや鈍化する可能性もあります。
とはいえ、今後大幅な金利低下は期待しづらく「金利が低いうちに借りておく」戦略も有効です。
また、建築資材の価格や中古住宅の流通価格も依然として高水準のため、物件価格と金利の両面から資金計画を見直す必要があります。
まとめ:住宅ローンを借りる前に整理すべきポイント
1,金利の動向を確認:短期・長期金利ともに上昇基調。将来的な負担増のリスクあり。
2,金利タイプを比較検討:変動金利は低いがリスクあり。固定金利は安心だがコスト高。
3,返済シミュレーションを実施:将来の金利上昇に備えた「ストレステスト」を実施。
4,ライフプランと住宅選びを連動させる:今後の年収見込み、教育資金、老後資金、資産運用などの要素も考慮。
今後も金利動向は政策や経済情勢によって変化するため、住宅ローンを組む際は、柔軟かつ慎重な判断が求められます。
その中でもライフプランに合わせた借入額の決定と住宅ローン選びは特に重要です。
とはいえ、住宅ローンの決定は人生で何度も行うことではないので、過去の経験を生かすのはどなたにとっても難しいのが現実です。
迷ったときは気軽に住宅専門のファイナンシャルプランナーにご相談ください。
投稿者プロフィール

- 住宅不動産コンサルタント/1級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引士
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株式会社ライフオブライフ代表。
住宅相談を専門とする住宅不動産業界歴26年のファイナンシャルプランナー。買う方の立場に立った「住宅コンサルティング」「将来家計のサポート」を行う
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