iDeCoイデコ(個人型確定拠出年金)に加入している夫が亡くなったらどうする?
「もしイデコに加入している夫が亡くなったら、積み立てたお金はどうなってしまうの?」という疑問を持つ方も少なくないと思います。
結論から言うと・・
遺族が請求すれば、イデコの資産はすべて遺族に支払われます。
加入者本人が生きていれば、年金や一時金として受け取れ、加入者本人が死亡すれば遺族が死亡一時金として受けとれるということですね。
自分の積み立てた資産が自分と家族のために無駄なく使える、当たり前のことのようですが大事なことです。
以下より遺族が死亡一時金の支払いを請求する方法をみていきます。
iDeCoイデコ(個人型確定拠出年金):遺族がどうやって受け取るの?
遺族が死亡一時金の請求を行う流れは以下の通りです。
①運営関連機関へ裁定請求書類を提出して死亡一時金を請求する
↓
②運営管理機関で裁定が行われる
↓
③裁定結果(支給または不支給)が死亡一時金を請求した人に書面で通知される
↓
④裁定結果が”支給”だった場合には、亡くなった方のイデコで運用している商品の売却手続きが行われ、規約等で決められたスケジュールに従い指定の口座に振込が行われる。
死亡一時金を受け取れる遺族は誰?
- 本人があらかじめ配偶者、子、父母、孫、祖父母または兄弟姉妹の中から死亡一時金の受取人を指定していた場合には、その方が受取人となります。
- 本人が受取人を指定していない場合には、法令に基づき以下の順位で受取人となります。
順位 | 受取人 |
---|---|
(1) | 配偶者(死亡の当時、内縁関係にあった者等を含む。) |
(2) | 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹であって、死亡の当時、主としてその収入によって生計を維持していた者 |
(3) | (2)に掲げる親族以外の親族で、故人が死亡した当時、主として故人の収入によって生計を維持していたもの |
(4) | 子、父母、孫、祖父母および兄弟姉妹で、(2)に該当しない者 |
※同順位内であれば、その並びの順番により順位が定められます。
※同順位者が2人以上いる場合(例:子が2人)は、死亡一時金はその人数によって等分して支給されます。(実務上は、代表者に一括して支給されます。)
(参考:個人型年金規約第130条)
死亡一時金の税金はどうなるの?
・死亡後3年以内に支給が確定した場合は、相続税の対象となりますが・・
「みなし相続財産(退職手当金等に含まれる給付)」として、法定相続人1人あたり500万円まで非課税となります。
「みなし相続財産」はあまり聞き馴染みのないワードだと思いますので ? が思い浮かんだ方も多いと思います。
難しいことは省きますが、「相続財産にはあたらないけど相続税法上は相続財産」とみなされるので、相続税の計算には入れないといけないということだけ覚えておいてください。
実際に計算してみましょう。
相続人:妻、子供2人
確定拠出年金の死亡一時金: 500万円
会社の死亡退職金: 1,000万円
非課税枠=500万円×法定相続人の数
で計算されます。
非課税枠=500万円×3人=1,500万円
確定拠出年金の死亡一時金:500万円 と 会社の死亡退職金:1,000万円で
ちょうど1,500万円の非課税枠の中におさまっているので、相続税は課税されないですね。
(今回の非課税枠の中で収まらなかったとしても、他の非課税枠を使うことが出来れば、必ずしも課税されるとは限りません。)
・死亡後3年を超えて5年以内に支給が決定した場合は「一時所得」として課税されます。
・本人が亡くなってから5年間裁定請求が行われない場合・・死亡一時金を受け取る遺族がいないものとみなされ、亡くなった方の相続財産とみなされます。
(確定拠出年金の死亡一時金としての受け取りはできなくなります。)
iDeCoイデコ(個人型確定拠出年金)の加入者が亡くなった場合のまとめ
今回の記事のポイント
- 亡くなった人が積み立てたiDeCoイデコ(個人型確定拠出年金)の資金は遺族がすべて受け取ることができます。
- 死亡一時金を遺族が受け取るには運営管理機関へ「裁定請求」する必要があります。なにもしないままでは受け取ることができません。
- 死亡一時金の受取人を指定しておきましょう。指定しない場合は、法令に基づいた順位で受取人が決まります。
- 支給が確定する時期により、税金の扱いが変わってきます。
遺族はできるだけ早く、死亡後3年以内に請求をしたほうが税制上有利になる場合が多いでしょう。
投稿者プロフィール

- 住宅不動産コンサルタント/1級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引士
-
株式会社ライフオブライフ代表。
住宅相談を専門とする住宅不動産業界歴19年のファイナンシャルプランナー。買う方の立場に立った「住宅コンサルティング」「将来家計のサポート」を行う
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