住宅ローンの返済比率は「手取り」「額面」どっちでみる?

住宅ローンの返済比率とは、「年収のうち住宅ローン返済が占める割合」です。
例えば、年収600万円のうち120万円が住宅ローンの返済だとすると
120÷600=16.6%
16.6%が返済比率となります。
このときに迷うのが、計算のもととなる年収は「手取り」か「額面」のどっちなのか?ということです。
「額面」より「手取り」で計算するほうがより厳しい基準でみることになります。
フラット35の説明を見てみましょう。

年収に占める・・とありますので、フラット35の借入れ基準は「額面」で計算されているようです。
以前にフラット35を扱う住宅金融支援機構に問い合わせたときも「額面」といわれました。
他の金融機関の基準も数件調べましたが「年収」との記述はあっても「額面」なのか「手取り」なのかの説明まではありませんでした。
フラット35と同様に考えると、他の金融機関も「額面」の可能性は高そうです。
あなたが返済できる本当の額は
ここまで金融機関の基準を見てきましたが、「額面」か「手取り」なのか?ということより実はもっと重要なことがあります。
例えば金融機関の審査の基準30%をクリアできたとして、それは本当にあなたが無理なく返済できる借入額なのか?ということです。
年収600万×30%だとすると180万円が住宅ローンの返済にまわる計算です。
額面だと420万円が残りますが・・
額面:600-180=420万円
手取りだと残り300万円に・・
手取り:480-180=300万円
300万円で住宅ローンを返済しながら余裕のある生活を送ることができるでしょうか?
これをしっかり確かめる方法は、ライフプランで一生の収入と支出のシミュレーションを行うことです。
その結果、手取り300万円でも問題なく生活できる人もいるかもしれませんが、多くの人は厳しい結果になることは予想されます。
しっかりシミュレーションを行うと、あなたが無理なく返済できる額は金融機関がOKを出した30%ではなく、本当は20%ぐらいだったという場合もあります。
本当に重要なことは、返済比率だけで判断しないということです。
ぜひしっかり一生のライフプランを作りながら「あなたが返済できる本当の額」を見つけてください。
私たちFPは伴走しながらお手伝いさせていただきます。
投稿者プロフィール

- 住宅不動産コンサルタント/1級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引士
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株式会社ライフオブライフ代表。
住宅相談を専門とする住宅不動産業界歴26年のファイナンシャルプランナー。買う方の立場に立った「住宅コンサルティング」「将来家計のサポート」を行う
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