30代前半〜40代前半・子育て世帯の住宅購入は慎重さがカギ

先回の記事では全世帯向けに金利上昇時代に住宅を買う場合の戦略についてご紹介しました。

今回は子育て世帯に絞った住宅購入戦略についてご紹介したいと思います。

30代前半から40代前半の子育て世帯のかたにとって今は、「そろそろ住宅購入を決断しないと」と感じやすいタイミングかもしれませんね。

子どもの成長、学区、住宅ローンの完済年齢などを考えると、時間的な余裕はあまりないなぁと感じている方も多いかもしれません。

一方で、今は金利が上昇局面にあります。世帯年収1,000万円の共働き世帯であっても、判断を誤ると教育費や老後資金を圧迫しかねません。

今回は、この世代・家族構成に絞って、家計のリスクを抑えた住宅購入の考え方を整理します。

「年収1,000万円=安心」ではない理由

共働きで世帯年収1,000万円あると、金融機関からは高額な住宅ローンを提案されやすくなります。

特に40代前半では「まだ返済期間を35年取れる」という理由で、6,000万円前後の借入が可能になることもあります。

しかし、これはあくまで“借りられる金額”です。子育て世帯にとって重要なのは、「教育費が増えても返し続けられるか」という視点です。

教育費が本格化する前に考える返済計画

30代前半〜40代前半で住宅を購入する場合、数年後には教育費の負担が一気に増えていきます。習い事、塾、中学・高校・大学と、支出は段階的に重くなります。

この時期に住宅ローンの返済額が高すぎると、「家はあるけど、教育にお金をかけられない」という状態になりかねません。

そのため、住宅ローンの返済額は、教育費が増えても耐えられる水準に抑えることが重要です。

返済額の目安は「手取りの20〜25%」を安易に信じない

一般的な目安になるのが、手取り収入に対する住宅ローン返済額の割合です。

「手取り月収の20〜25%以内に収めることで、教育費や貯蓄とのバランスが取りやすくなります。」というのはネットなどの情報でもよく目にします。

ここで注意したいのが、「今の共働き収入」と「支出」だけを前提にしすぎないことです。

共働きでも収入が減る可能性は高い

子どもの成長に伴い、どちらかが時短勤務を選んだり、働き方を変えたりするケースは少なくありません。また、親の介護や自身の健康問題が出てくるのも、この年代です。

そのため、「どちらか一方の収入が減っても回るか」を基準に返済額を決めておくと、家計は格段に安定します。

“年収”だけで判断しない

手取り収入に対する住宅ローン返済額の割合だけで決めてしまうのは危険です。

収入は同じだとしても、家計によって支出はまったく違う場合もあります。

同じ世帯年収1,000万だとしても同じ額のお金を毎月使うわけではないですよね。

ですので、個別の家計の支出額で判断する必要があります。

わが家の支出をしっかり書き出して、将来どのくらいの支出がありそうなのかを見極める必要があります。

金利タイプの選択は“リスク”も考える

金利が上昇している局面では、低金利だけを理由に変動金利を選ぶのはリスクがあります。

返済期間が長く、教育費のピークと重なる年代だからこそ、将来の金利上昇は家計に直撃します。

変動金利を選ぶのも決して間違いではありませんが、金利が上がっても耐えられる家計なのかを確かめておくことが重要です。

全額固定にするのが不安な場合は、固定金利と変動金利を組み合わせる方法もあります。「最低限この金額なら安心して払える部分」を固定にするイメージです。

住宅費は“住んでから”も続く

住宅購入では物件価格に目が行きがちですが、住み始めてからも支出は続きます。マンションであれば管理費や修繕積立金、戸建てであれば将来の修繕費用です。

特に子育て世帯では、これらの固定費が教育費と重なる点を意識しておく必要があります。

頭金と貯蓄のバランスを崩さない

頭金を多く入れることで借入額を抑えるのは有効ですが、貯蓄を削りすぎるのは危険です。

貯蓄をうまく資産運用できるのであれば、あえて頭金を多く入れすぎない選択もありだと考えます。

ただし、しっかりと自分で資産運用する準備ができていることが大前提です。

それでも教育費や急な出費に備え、最低でも生活費の1年分程度は手元に残しておきたいところです。

まとめ:子どもと将来を守る住宅購入を

30代前半〜40代前半の子育て世帯にとって、住宅購入は家計を左右する大きな決断です。金利上昇の時代だからこそ、「今払えるか」ではなく、「教育費と両立できるか」「将来も無理なく続けられるか」を軸に考えることが重要です。

家を買うこと自体が目的にならないよう、家族の安心と選択肢を守る住宅購入を心がけていきましょう。

子育て世帯で世帯年収が1,000万円を超えていると、住宅ローンの審査も通りやすく物件の選択肢も広がるため、「家を買う」という選択肢が一気に現実味を帯びてきます。

しかし、収入が高いからといって住宅購入においてすべてが順風満帆とは限りません。

むしろ、収入があるからこそ陥りやすい「落とし穴」も存在します。

今回は、そんなご家庭が家を購入する際に絶対に避けるべき5つのポイントをご紹介します。

「貸してくれる金額」で家を選ぶこと

金融機関が貸してくれる金額=自分が返せる金額ではありません。

年収1,000万円あれば、1億円近いローンが組めてしまう場合もありますが、それが家計にとって本当に無理のない金額かは別問題です。

家計の支出額がいくらなのか?将来にどのくらいの支出がありそうなのか?というポイントは住宅ローンの審査基準にはならないからです。

特に子育て世帯は、教育費や習い事、将来的な進学費用など、今後の支出が年々増えていく傾向にあります。

「今払える」ではなく、「将来にわたって無理なく払える」を基準に予算を決めることが大切です。

ライフプランを考えずに勢いで購入すること

「金利が低いうちに」「周りの友達が家を買ったから」といった理由で焦って家を買うのは危険です。

住宅購入は人生で最も大きな買い物の一つであり、住宅ローンは30〜35年にも及びます。

転勤の可能性や子どもの進学、将来の介護や自分たちの老後など、長期的なライフプランと照らし合わせて判断することが必要です。

将来は分からないからライフプランは作れない・・という場合は仮の予定でも大丈夫です。

ライフプランは予定が変われば変更もできますので、まず分かる予定の範囲で作ってみることが重要です。

教育・老後資金を圧迫する住宅ローンを組むこと

子どもが小さいうちは出費も少なく、「思ったより余裕がある」と感じがちですが、中学・高校・大学と進学するにつれて教育費は大きく増加します。

さらに、私立や留学を希望された場合には想定以上の費用がかかる可能性も。

また、家を買った後も老後資金を蓄える必要があります。

住宅ローンに家計を圧迫されて、教育や老後にしわ寄せが来るの避けたいところです。

まとまった額の退職金がもらえるのであればリスクは少ないかもしれませんが、そうでない場合は長期的な老後資金計画が必用です。

立地や周辺環境を軽視すること

「内装がきれい」「広い家に住みたい」といった理由で、駅から遠い・周辺に生活利便施設が少ない場所を選んでしまうと、住んでからの不便さに後悔する可能性があります。

特に子育て世帯の場合、保育園・学校・病院・公園などの存在が生活の質を大きく左右します。

また、将来的に売却や賃貸に出す可能性を考えたときも、立地の良さは資産価値に大きく影響します。

将来の修繕・維持費を見落とすこと

一戸建てでもマンションでも、購入後には維持費がかかります。

マンションなら管理費や修繕積立金、一戸建てでも外壁や屋根、水回りの修繕費用が数十年単位で発生します。

これらを見越して毎月きちんと積み立てる余裕があるかを事前に確認しておかないと、将来的に負担が重くのしかかってきます。

まとめ

年収1,000万円を超えていても、子育て世帯が住宅を購入する際には「収入に見合った堅実な判断」が求められます。

「買えるから買う」のではなく、「家族にとって本当に価値のある選択か」を基準にしましょう。

将来の生活やお金の流れをしっかり見据えて判断すれば、マイホームは安心と満足をもたらしてくれる大きな資産になります。

夫婦2人でペアローンを借りた場合、団体信用生命保険(以下、団信)も2人で別々に加入することになります。

ここで、みなさんがよく疑問に思われることがります。

ペアローンで万が一夫婦どちらかが亡くなったら、保険で2人の住宅ローンの残高はゼロになるの?

結論からいうと、一般的な団信ではペアローンの残高はゼロになりません。

亡くなった方の借入れ分だけがゼロになります。

下記のようなペアローンの事例でみてみましょう。

世帯主の借入分:3,000万円

配偶者の借入分:2,000万円

5年後に世帯主が亡くなったとします。

この場合は、世帯主の借りた3,000万円のローン残高だけがゼロになります。

配偶者が借りた2,000万円の住宅ローンの残高は残ります

夫が亡くなっても私の借りた住宅ローンは残るんだ・・

配偶者は自分で借りた分の住宅ローンの返済は続けていくことになります。

まさにペアローンの弱点、注意点はこの「夫婦のどちらかが亡くなった場合、どちらかの住宅ローン残高は残る」ことでした。

最近はこの弱点を補うために、新しい「ペアローン団信」という選択肢が生まれています。

ペアローン団信という選択肢

先ほどの事例で、一般的な団信だと世帯主が亡くなって3,000万円のローン残高が消えても、配偶者の2,000万円のローン残高は残りました。

ペアローン団信であれば、世帯主が亡くなると2人で借りた5,000万円の残高がゼロになります。

もちろん配偶者が亡くなった場合もローン残高はゼロです。

2人の住宅ローン残高がゼロになるなら安心ね

ただし、ペアローン団信を選ぶと単独の団信より金利が0.2%ぐらい上がることだけは注意です。

ペアローン団信は「がんと診断されたら」「余命診断されたら」のような条件でもローン残高がゼロになる商品も出てきています。

ペアローン団信の保障内容などは各金融機関ごとで異なります。

続々と新しい商品が出てきていますので、各金融機関の特徴をよく調べてご自分に合うものを選ぶことが必要となっています。

場合によってはペアローン団信のかわりに、民間の生命保険に加入するほうが保険料を安くできますので、詳しくは専門家にご相談ください。

家を買おうとするときは、新しい生活を思い描いて希望にあふれている時期かと思います。

そんなときに売る時のことも考えている人はほとんどいないでしょう。

数年後に転勤が決まっているが今どうしても家を買いたい。という人は売る時のことも考えているかもしれませんが少数派です。

今日は新しく家を買おうとするときに、同時に売る時のことも考えたほうがいいですよ。という話です。

家を買う時は「家計のバランスシート」で考える

バランスシートという言葉は会社の会計などで使われるもので、貸借対照表ともいわれます。

バランスシートは一般的に会社の財務状況を表していて、これを見れば会社のお金の状況がよく分かります。

このバランスシートは家計にも使えます。

家計をひとつの会社と考えて資産の状況を表してみると、色々なことが見えてきます。

例えば、Aさんが住宅を買う前と買った後のバランスシートを比較してみます。

Aさんは1,000万円の貯金がありましたが、後々の生活のことを考えて貯金を使わずにフルローン5,000万円で家を買いました

資産/負債住宅購入前 住宅購入後
資産(預貯金、不動産)1,000万円5,000万円
 負債(住宅ローン)0-5,000万円
純資産1,000万円 0

住宅購入後の資産の内訳は

預貯金1,000万円+不動産4,000万円=5,000万円 となりました。

ん?ちょっとまって5,000万円借りて5,000万円の家を買ったのだから・・

預貯金1,000万円+不動産5,000万円=6,000万円 でしょ!と思う人も少なくないでしょう。

実は・・消えた1,000万円は不動産価値の値下がり分なのです。

5,000万円で買ったはずの家がなぜ4,000万円になるの?と思われる方も少なくないでしょう。

でもこれが現実になる場合もあるのです。

フルローン5,000万円で買った家の価値は5,000万円にはならないと思ったほうが良いです。

5,000万円には住宅ローンの諸費用や登記費用などの諸経費も含まれますので、その分は価値から差し引かれます。

さらに、一般的に新築の家は買って住んだ瞬間に2割価値が下がるともいわれます。

(※希少価値の高いエリアの物件などは価値が下がらないこともあります。)

フルローン5,000万円で買った家を売ろうと思ったら4,000万円でしか売れない・・ということも現実にあるのです。

このように家を売っても1,000万円の住宅ローンが残ってしまうことにならないように、売る時の価値も考えたほうが良いのです。

特にフルローンで買う場合は、このバランスシートの考えを取り入れてみてください。

純資産が大きくマイナスになる場合は、予算や物件選びをじっくり考えなおしたほうが良いかもしれません。

年の瀬となりましたがみなさん良い年末をお過ごしでしょうか。

2週間ほど前に2024年度の税制改正大綱が発表されましたので、住宅購入に関係する重要なポイントだけ解説したいと思います。

来年から住宅購入したいなと思っている方に参考にしていただければと思います。

住宅ローン控除の改正(子育て世帯の控除拡充)

子育て世帯の控除拡充

まず、子育て世帯の対象は?というところからですね。

今回の対象は「夫婦のいずれかが40歳未満または19歳未満の扶養家族がいる」が条件となります。

この条件に当てはまる人だけ、控除になる借入限度額が上乗せされます。

床面積要件の緩和措置

2つめの改正ポイントは、床面積要件を40㎡以上とする緩和措置についての変更です。

2023年までとされていましたが1年延長され、2024(令和6)年12月31日以前に建築確認済みの新築住宅が対象とされます。

国土交通省資料より

2025年以降も子育て世帯の控除になる借入限度額の上乗せが続くかは未定です。

2025年以降に住宅購入を考えている人は2025年以降の税制改正も要チェックです。

住宅取得資金贈与の非課税措置の延長

父母や祖父母などから、住宅の新築・取得又は増改築等のための資金を贈与により受けた場合に、一定額までの贈与につき贈与税が非課税になる制度です。

適用期限の延長

2023年12月31日までとされていた期限が、3年延長されて2026年12月31までとなりました。

省エネ等住宅の条件見直し

省エネ等住宅の場合に非課税で贈与できる金額:1000万円

その他の住宅:500万円

上記のように住宅の性能によって非課税で贈与できる金額が変わる制度なのですが、「省エネ等住宅」の家屋の条件が見直しされました。

改正前:断熱等性能等級4以上 又は 一次エネルギー消費量等級4以上であること

改正後:断熱等性能等級5以上 かつ 一次エネルギー消費量等級6以上であること

つまり、断熱性能、エネルギー消費性能ともに省エネ住宅の条件がより厳しくなったということです。

今後、より環境に配慮した高性能な住宅を増やしていきたい国としての方針が見えてきます。

2024年税制改正大綱のポイントまとめ

これから住宅購入を検討する人にとって影響が大きいポイントのみ絞って解説しました。

国の方針として、子育て世帯への支援は住宅購入の場面でこれからも続いていくものと予想します。

自分が使える制度なのであれば積極的に使っていくことで住宅購入時に小さくない金額の差が生まれます。

最新の情報にアンテナを立てて使える制度なのか見極めていきましょう。

それでは良い新年をお迎えください。

先日ニュース番組をみていると「東京の新築マンション価格が上昇」という話題が取り上げられていました。

東京の新築マンションの価格が上昇しすぎて、今まで買うことができていた年収層も手を出しにくくなっているようです。

夫婦2人で年収2千万円ぐらいあるような、いわゆるパワーカップルも例外ではありません。

1億ぐらいの物件なら余裕をもって買えていたパワーカップルも、それがマンション価格上昇で2億、3億となってくるとさすがに買えない・・となるわけです。

そのニュースで登場していた銀行の融資担当者はこのような話をしていました。

「年収の10倍ぐらいの住宅ローンは組めるので、理論的には買えます。」

確かに、年収2,000万円の夫婦が年収10倍の2億円の住宅ローンを借りれば2億円以上の新築マンションも手が届きます。

たしかに買えるのですが・・なんか異常な事態なのではとその時は思いました。

年収10倍の住宅ローン借りれた!物件買えた!うれしい!となりますか?

個人的には全然うれしくないです。

ここまでの話で出てきたのは値上がりした物件でも買えるのか買えないのかという話。

買った後の生活の話は全くでてこないのです。

東京一等地のタワマンに住みながらも、日々の生活費に悩む毎日は嫌です。

もちろん、「日々の生活費を切り詰めても東京1等地のマンションを買うことが人生最大の喜びだ」という考えの人もいるかもしれませんので一概に否定はしません。

何に幸せを感じるのかは個人によって違うので、その選択は自由です。

住宅ローンと現在バイアスのワナ

人は「未来にある喜びよりも、目の前のことを過大に評価し優先してしまう」という現在バイアスの罠におちいりやすいものです。

今、目の前の喜びを優先すると将来の大きな喜びを失ってしまうかもしれません。

今、2億3億のマンションを買った場合の幸せと、買わなかった場合に得られる幸せを考えてみてもいいのではと思います。

それを確かめる方法の一つがライフプランです。

マンションを買った場合と買わなかった場合の将来のお金の比較をしてみるわけです。

マンションにお金を使う場合と、他のことに使った場合の比較をしてみると自分はどちらに幸せを感じるのか見えてくると思います。

具体的な数字で比較ができるので、現在バイアスに影響されずに客観的に判断もできます。

年収10倍の住宅ローンを借りた後も幸せな人生が送れそうなのか、少し立ち止まって考えてみても良いのではないでしょうか。

総務省の統計データによれば、2022年の共働き世帯数は専業主婦世帯数の約2倍となっています。

共働き世帯の増加にともなって、夫婦2人で住宅ローンを組むことを考える人も増えています。

そこで選択肢として出てくるのがペアローン。

ペアローンは夫婦や親子など、同居親族と一緒にそれぞれが住宅ローンの債務者(借りる人)となる方法です。

夫婦でペアローンを組んだ場合では、夫と妻がお互いに連帯保証人となります。

連帯保証人とは、一方の債務者が住宅ローンを返済しない場合に、債務者に代わって住宅ローンを返済することを約束した人が保証人です。

もし、夫が何らかの理由で返済できなくなった場合は、妻が返済しなければなりません。

その逆パターンもあるでしょう。

これからペアローンを選択する注意点などを考えてみたいと思います。

連帯保証と連帯債務の違いは?

「連帯保証」に対して「連帯債務」というものもあり、ごっちゃになりやすいのが注意ポイント。

夫婦が連帯債務で住宅ローンを借りた場合、1つのローンを2人で借りているので、住宅ローン全額の責任を2人それぞれが負う同じ立場ということになります。

ペアローンの連帯保証では契約書は2通、一方、連帯債務では契約書は1通というところにも違いが出てきます。

ペアローンのメリット・デメリット

ペアローンのデメリットは契約書が2通になるので、事務手数料や諸費用が2人分かかるということです。

どれだけの費用が増えるのかは事前に調べておく必要があるでしょう。

主なメリット

ペアローンを選ぶときは将来の計画も同時に

ここまで書いてきたことは一般的にもよくいわれることなので、私がいうまでもなかったかもしれません。

一番お伝えしたかったのは、「ペアローンで借りた後の将来計画」についてです。

ペアローンを組むご夫婦は当然、返済期間中は2人とも仕事を続ける計画です。

この計画が崩れやすいのが子供が生まれた場合。

2人で子育てを協力して一方に負担が偏らないようにすれば大丈夫ですが、夫の仕事が忙しくてあまり協力できない・・

という場合だと計画が一気に崩れます。

妻が仕事に復帰できる時期が遅くなる、または退職せざる負えないとなると、妻が借りた分の住宅ローン返済が一気に苦しくなる場合も。

また、ペアローンが問題になるのが離婚時です。

住宅を買おうとするときに、離婚のことを想像する人はいないと思いますが、現実として問題となっているケースはありますので、知識として知っておくことは必要です。

離婚後も2人で協力して住宅ローンを返済していくケースは少ないので、共有名義を一方の単独名義に変えるのが普通です。

そうなると一方の住宅ローンを一旦返済して、夫婦どちらかの単独名義に変える必要性がでてきます。

そのためには夫婦どちらかが一方の住宅ローンを肩代わりする必要が出てくるのですが、2人分の住宅ローンを1人で負うのはかなりの負担となってしまいます。

お互いに売却することを納得し、売却資金で住宅ローンを返済できるのであればそれも選択肢かもしれません。

ぺアローンで借りた将来計画がうまくいかなかった場合をご紹介しましたが、将来計画を2人でよく話し合っておけばこのような事態は避けられると思います。

お金の計画は住宅ローンを借りる前にしっかり行っておくことをおすすめします。

この記事ではご夫婦共働きで世帯年収1,000万円の家計を想定して、いくらまで住宅ローンを借りても無理がないのか試算してみたいと思います。

世帯年収1,000万円あればライフプラン(お金の計画)なんかいらないのでは?と思われるかもしれませんが、意外とそうでもありません。

ご相談を受けている中での印象では、世帯年収が多いと支出も多くなる傾向があります。

「収入も多いけど支出も多い」

こういう家計は意外と要注意です。

子供がまだ小さいうちはそれほどお金もかかりませんが、大学などへ進学するときになると一気に支出が増えてきますので、それまでに貯蓄ができていないと「学費が足りない」という状況になります。

無事に子供さんが大学を卒業し立派に独り立ちした後は、ご夫婦の生活に使うお金も必要です。

いわゆる老後資金です。

いくらまでの住宅ローンなら、教育資金・老後資金もしっかり残せるのか、これから試算してみたいと思います。

世帯年収1,000万円、子供2人で住宅ローン5,500万円の試算

同じ世帯年収1,000万円だとしても、人によって家族構成・貯金・支出などのはまったく違いますので、一定の条件をもうけておきます。

今回の試算では下記のような世帯を想定します。

世帯主:会社員、37歳、年収600万円(定年まで1%づつ上昇)、退職金は65歳で1,000万円

配偶者:会社員、35歳、年収400万円(定年まで1%づつ上昇)、退職金は65歳で700万円

子供:5歳と3歳(2人とも大学まで進学)

現時点の貯金:500万円

生活費:月30万円

その他費用:車購入費600万円、リフォーム費用1,000万円

上記の家計で1年後に住宅を購入

住宅予算総額:6,100万円

頭金:600万円

住宅ローン:5,500万円

※住宅ローンはフラット35、金利1.88%で試算します。

住宅ローンを返済しながら生活していくと、貯金がどう変化していくか試算をしてみた結果です。

現預金額の推移

さすがに家を購入した直後あたりは大きく貯蓄を減らしていますが、2人で働いているおかげで貯蓄も少しづつ増えていくのが分かります。

世帯主が50歳~56歳あたりまでは子供が大学へ通う時期ですので教育費の支出が増えてきます。

子供の教育費の支払いが必要な間は踏ん張りどころです。

子供が独立した後は大きな支出項目が減りますので、貯蓄を増やすチャンスです。

余裕があれば早めにiDeCoやNISAなどで投資に挑戦してもいいかもしれません。

65歳以降も貯蓄を減らさずに生活していけるのは年金のおかげです。

夫婦2人とも会社員として定年まで勤めましたので、2人の国民年金・厚生年金を合わせて最大400万円近くの年金がもらえる試算です。

などの場合は試算より年金が大きく減る可能性もありますので、将来もらえる年金額しっかり知っておくというのも重要です。

今回はあくまで一定の条件での試算ですので、条件を変えれば同じ年収でも結果はまったく異なることもあります。

自分の家計の場合はどうなるのかは個別に試算する必要がありますのでご注意ください。

老後の資金も準備でき、健康も維持できれば旅行やレジャーの楽しみも増えますね。

ぜひ住宅を購入する前にライフプランを作り、無理のない住宅ローン金額を確認することをおすすめします。

最近実感として思うことがあります。

それは・・

「企業と家計は大きさは違うけどお金の考え方は同じ」

ということです。

 

企業は決算で、「キャッシュフロー計算書」という書類をつくります。

フリーキャッシュフローは、事業で稼いだお金から投資したお金を差し引いた余りです。

 営業キャッシュフロー  -  投資キャッシュフロー = フリーキャッシュフロー 

このフリーキャッシュフローが多ければ多いほど、会社の更なる投資や不測の事態への対応力がある状態と考えられます。

家計でも同じような計画書を作ることができます。

当事務所で作成している「将来の家計シュミレーション」の中のひとつの資料に「キャッシュフロー表」というものがあります。

キャッシュフロー表は毎年の家計の収入から支出を差し引くと、一生のうちにどれだけの金融資産が積みあがっていくのかを表した資料です。

毎年の家計収入 - 支出 = 金融資産(貯金)

企業の「キャッシュフロー表」と似ていますよね。

(家計のキャッシュフロー表は毎年ではなく一生分をまとめて作りますので、そこは企業と違います。)

一度、投資家の目線で考えてみてください。

キャッシュフロー計算書を作っていない。

またはキャッシュフロー計画書の中身を理解していない。

なんていう企業があったら・・その会社に投資したいと思いますか?

私だったら大事なお金を投資しても無駄使いされそうで怖いです。

ほぼお金の計画なしに企業活動しているようなものですから。

 

これ、家計も一緒じゃないですか?

キャッシュフロー表を作らずお金を使っていくと

こういう心配がずっと続きます。

穴の開いたバケツに水を入れるように

穴の開いた家計にお金を投資していると、お金はどんどん無駄使いされていきます。

これでは一生でどれだけのお金が貯まって、どれだけのお金を使えるのかも分かりません。

一生でどれだけのお金が貯まって、どれだけのお金を使えるのかを確かめる計画書(キャッシュフロー表)が手元にあればこういう心配は起きにくいですよね。

お金の計画書(キャッシュフロー表)があれば

と、余計な心配をせずに済みます。

お金の計画はすべて計画通りにいくとは限りません。

(計画通りに行くことのほうが少ないかもしれません。)

たとえ最初の計画から多少ずれたとしても何が原因なのか分かれば、対処方法も考えられます。

元になる計画書がなければ今のままで良いのか、何か変えなければいけないのかも分かりません。

お金の迷子状態です。

正しい地図が無ければ目的地にはたどり着けません。

たとえ、道を少しはずれて迷子になったとしても、地図があれば元の道に戻ることもできますよね。

ぜひあなたも家計のシュミレーションを行ってお金の地図を手に入れてください。

自分が今どこにいるのか、どこを目指していけば良いのか見えてくるはずです。

 

相談者の方とお話をしていて気付いたのですが、みなさんがよく誤解されていることの一つにこんなことがあります。

「住宅ローンを組んで団体信用生命保険(以下、団信)に入ったら民間保険に入らなくて良いですよね。」

という質問ですが・・これはちょっと誤解があります。

確かに、団信に加入すれば加入者に万が一のことがあっても、その後の住宅ローンの支払いは保険金によって支払われるので、残された家族に負担はかかりません。

しかし、団信で保障されるのは「住宅ローンの支払い」のみです。

残された家族が生活するための住宅の維持費、生活費、教育費、その他の費用は当然かかりますよね。

団信では保障してくれません。

ですから、団信加入後に民間の保険が必要なのか・必要ではないのかは、残された家族の生活をシュミレーションしてみないと分からないのです。

さらに、特に注意しないといけないのが夫婦2人の収入を合算して住宅ローンを借りる場合です。

なぜ、この場合注意が必要なのかこれから詳しく書いていきます。

夫婦2人で住宅ローンを借りる場合の保険は?

夫婦2人とも働いているのだから、1人より多くの住宅ローンを借りられるのでは?と多くの人が想像しますよね。

そこで、夫婦2人で住宅ローンを組む場合、「収入合算」という選択肢が考えられるわけです。

文字通り、夫婦2人分の収入を合体させることができ、1人で住宅ローンを借りるより高額の住宅ローンを組むことができるようになります。

でもここに落とし穴があって、なんとなく収入合算で住宅ローンを組んでしまうと、保障の部分で大きな弱点ができてしまう場合があります。

それは・・

「収入合算だと1人しか、団信に加入できない。」

ということです。

何が危険なのかということを説明するために夫婦で収入合算をし、住宅ローンを借りた具体的な例でみてみます。

夫Aさんの年収:500万円

妻Bさんの年収:300万円

収入合算で住宅ローン:5,000万円、35年返済

上記のような条件で住宅ローンを銀行で借りました。

15年後・・急病で妻が亡くなってしまいました。

万が一このようなことが起こってしまったとします。

残された夫は、住宅ローンを借りたときに「保険に入っていたな。」と思い出します。

そこで、銀行に問い合わせてみました。

夫:「妻と一緒に住宅ローンを借りたので、保険で住宅ローンの一部でも減らしてもらえるのでしょうか?」

銀行:「保険に入っているのは主債務者である夫Aさんだけですので、妻Bさんが亡くなった場合は保険で保障されません。残念ですが・・」

このような絶望的な回答が銀行から返ってきてしまう場合もあります。

夫Aさんは上記のようなことを住宅ローンを借りたときには十分に理解できていませんでした。

2人の収入で返済していくはずだった住宅ローンをこれからは1人で返していかなくてはいけません。

当然、これまでより返済の負担が重くなることは明らかです。

1人分の収入で家族の生活費をまかない、住宅ローンも返済していかなくてはなりません。

(この事例は連帯保証の収入合算の場合です。連帯債務の収入合算の場合は夫婦で団信に加入できる場合もあります。)

夫婦で住宅ローンを借りるときにやるべきこと

共働きの夫婦のどちらか一方が亡くなった場合に備えて、保障が十分なのか確かめておくことは必要です。

収入合算の場合は特にこのあたりが忘れがちになります。

夫が亡くなった場合でも、妻が亡くなった場合でも、住宅ローンを返済しながら生活は成り立つのかシュミレーションしておくことが必要です。

シュミレーションを行ってみると、団信に加入していたとしても、残された家族の生活費または老後の資金が足りなくなる結果が出ることもあります。

その場合は、民間保険で補うことも必要になってきます。

民間保険に入る必要があるかどうかは、世帯主と配偶者の収入、貯蓄額、退職金の額などによっても変わってきますので、一概には言えません。

貯蓄が十分にある場合は、過剰に保険に加入する必要はありません。

必要以上の保険に入る必要はまったくありませんが、シュミレーションを行ってから、最低限いくらの保険が必要か、または不必要なのかを決めましょう。