マンション売却で損をすると税金が戻ってくる

 

マンションから新築住宅に住み替えを検討しているAさん。

「新築で5,000万円で買ったマンションも今売ると2,000万円か・・」

立地、物件の希少性が高いなどの例外は除いて、マンションを売却すると、ほとんどの場合は買った時より低い金額で売ることになりますよね。

でも、この売却損を少しでも取り戻せる方法があります。

それが「譲渡損失の損益通算及び繰り越し控除の特例」です。

あまり聞き馴染みのないフレーズだと思いますが、この方法を使えば税金が戻ってきて、損失分の穴埋めをすることができます。

この特例は、「マイホームを買い替えた場合」でも「マイホームを売却した場合」でも、2つのパターンで使えるので良いですね。

これから、マンション売却で損をした場合に税金が戻ってくる制度の詳しい内容とその申告の方法について詳しく解説していきます。

 

マンションを買い替えた場合、譲渡損失を申告することでどれだけの税金が戻ってくる?

マイホームを売却して損失(譲渡損失)が出たときは、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。(一定の要件があります。)

さらに、損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができます。

住宅借入金等特別控除制度、いわゆる住宅ローン控除とも併用できるのもうれしいですね。

 

【例:平成7年に5,000万円で購入し、平成31年に2,000万円で売却。5,000万円の新たなマイホームを3,000万円の住宅ローンを組んで購入した場合】

3年間の年収と所得税は下記の通りとします。

平成31年~33年 年収700万円(所得税52万円)

 

譲渡損失の計算

2,000万円-(5,000万円-1,620万円)-72万円=△1,452万円

※1,620万円(減価償却費)、72万円(手数料等)

減価償の計算式:建物購入代金 × 0.9 × 0.015 × 経過年数

 

【平成31年の所得税額】

損益通算

700万円-1,452万円=△752万円

所得税は全額52万円が還付。△752万円の譲渡損失は翌年へ繰り越し。

 

【平成32年の所得税額】

損益通算

700万円-752万円=△52万円

所得税は全額52万円が還付。△52万円の譲渡損失は翌年へ繰り越し。

 

【平成33年の所得税額】

(700万円-180万円-52万円)×20%-42.75万円 =50.85万円

※180万円(所得控除)

所得税は1.15万円が還付。

 

3年間で、なんと合計105万円ものお金が戻ってきます。

 

ただし・・この特例には適用条件があります。

どのようなマイホーム、どのような人が適用になるのか次で見ていきます。

 

マイホームを買い替えた場合の適用条件

  • 新しい家(買換資産)に、買った年の翌年の12月31日までに居住すること、またはその見込みであること。
  • 新しい家を買った年の12月31日において、新しい家に10年以上の住宅ローンがあること。
  • 新しい家は日本国内にあり床面積が50平方メートル以上であること。
  • 売却するのは自分が住んでいるマイホームであること。以前に住んでいたマイホームの場合には、住まなくなった日から3年目の12月31日までに譲渡する必要があります。
  • マイホームを売る年の1月1日時点でマイホーム所有期間が5年を超えていること。
  • 特例を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  • 売却した相手が親子や夫婦など特別の関係がある人ではないこと
  • 確定申告を行うこと

 

ここまでは、「マンションを買い換えた」場合をみてきましたが、次に、買換えはせずに「マンションを売却」するだけの場合もみていきましょう。

 

マンションを売却した場合、譲渡損失を申告することでどれだけの税金が戻ってくる?

住宅ローンのあるマイホームを住宅ローンの残高より低い価額で売却して損失(譲渡損失)が生じたときは、その譲渡損失をその年の給与所得や事業所得など他の所得から控除(損益通算)することができます。(一定の要件があります。)

さらに損益通算を行っても控除しきれなかった譲渡損失は、譲渡の年の翌年以後3年内に繰り越して控除(繰越控除)することができます。

住宅借入金等特別控除制度、いわゆる住宅ローン控除とも併用できます!

 

【例:平成22年に5,000万円で購入し、平成31年に2,000万円で売却。住宅ローン残高が3,000万円】

2年間の年収と所得税は下記の通りとします。

平成29年~30年 年収700万円(所得税52万円)

 

【A】2,000万円-(5,000万円-607万円)-72万円=△2,465万円

※607万円(減価償却費)、72万円(手数料等)

減価償却の計算式:建物購入代金 × 0.9 × 0.015 × 経過年数

 

【B】2,000万円-3,000万円=△1,000万円

 

【A】【B】と比べて損失の少ないほう△1,000万円が譲渡損失となります。

 

【平成31年の所得税額】

損益通算

700万円-1,000万円=△300万円

所得税は全額52万円が還付。△300万円の譲渡損失は翌年へ繰り越し。

 

【平成32年の所得税額】

(700万円-180万円-300万円)×20%-42.75万円 =1.25万円

所得税は50.75万円が還付。

 

2年間で、なんと合計102.75万円ものお金が戻ってきます。

 

どのようなマイホーム、どのような人が適用になるのか次で見ていきます。

マイホームを売却した場合の適用条件

  • 譲渡したマイホームの売買契約日の前日において、そのマイホームについて償還期間10年以上の住宅ローンの残高があること。
  • 住宅ローンの残高がマイホームの譲渡価額(売却額)がを上回っていること。
  • 売却するのは自分が住んでいるマイホームであること。以前に住んでいたマイホームの場合には、住まなくなった日から3年目の12月31日までに譲渡する必要があります。
  • マイホームを売る年の1月1日時点でマイホーム所有期間が5年を超えていること。
  • 特例を受ける年の合計所得金額が3,000万円以下であること
  • 売却した相手が親子や夫婦など特別の関係がある人ではないこと
  • 確定申告を行うこと

 

確定申告に必要な書類

特例を受けるためには確定申告書に下記の書類を添付して提出する必要があります。

必要:〇 不要:―

必要書類買換えの場合売却のみの場合入手先
売却資産の登記事項証明書法務局
買換資産の登記事項証明書法務局
除票住民票旧住所の市町村
新しい住民票新住所の市町村
譲渡損失の金額の明細書(確定申告書付表)

「居住用財産」

「特定居住用財産」

国税庁
譲渡損失の損益通算及び繰越控除の対象となる金額の計算書

「居住用財産」

「特定居住用財産」

国税庁
住宅借入金残高証明書

買換資産のもの

売却資産のもの

金融機関

 

まとめ

「譲渡損失の損益通通算及び繰り越し控除の特例」は、マンションに以外の住宅用不動産にも使える特例です。

ありがたい制度なのですが、あくまで確定申告時に申告した人だけが使える特例です。

誰も「あなたは申告したほうが良いですよ」と教えてくれませんし、あなたが何もしなければ税金は戻ってきません。

確定申告すれば税金が戻ってくるのは知っていたけど、1万、2万得するだけだったらわざわざ申告するのもめんどくさいと思った方も、どれだけ戻ってくるかを正しく知ったうえで、ぜひ申告してみてください。

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