フラット35の団体信用性命保険と民間保険のどちらがお得?
過去を振りかえると、平成29年9月30日以前はフラット35の団体信用生命保険(以後、団信)に加入する代わりに、民間の保険に加入するほうが保険料が安いということもありました。
その理由として団信は年齢や健康状態にかかわらず保険料が一定なので、20代・30代の健康な方にとっては少し割高とも言えました
しかし、平成29年10月1日以後にフラット35を申し込んだ方は、フラット35の毎月返済額に団信の保険料が含まれるようになり、総額の保険料でみてもほぼ民間の保険より安くなりました。
そこで、どのぐらいの保険料の差があるのかシュミレーションで検証してみたいと思います。
フラット35の団体信用生命保険料
以下の条件とします。
35歳男性
借入金額 3,400万円
フラット35、金利1.45%、35年返済
総返済額:4,338万円 となります。(団体信用生命保険の費用も含まれます。)
新機構団信に加入しない(できない)場合の金利は、借入金利から-0.2%で金利1.25%となります。
総返済額:4,200万円 となります。(団体信用生命保険の費用は含まれません。)
毎月返済額:10万円
- 4,338万円-4,200万円=138万円
138万円が団信保険料の総額となります。
民間の保険に代わりに加入する場合
団体信用生命保険に加入しない場合の毎月返済額10万円を民間の保険で補おうとすると、「収入保障保険」が1つの選択肢として挙げられます。
収入保障保険に加入すれば死亡や高度障害など、万が一の事があっても毎月10万円を遺族の手元に残すことができます。
遺族は毎月10万円を住宅ローンの返済にあてることで、住宅ローンの返済を続けながら住み続けていけるというイメージです。
それではシュミレーションを行ってみましょう。
35歳男性
保険期間70歳満了
死亡・高度障害年金額: 月額10万円
※A保険会社は喫煙の有無、血圧などの健康状態で保険料が変わります。
月払い保険料 | 保険料総額(35年間) | |
非喫煙優良体(A保険会社) | 4,430円 | 186万円 |
非喫煙標準体(A保険会社) | 6,990円 | 294万円 |
B保険会社 | 4,780円 | 200万円 |
喫煙無し、最高血圧120以下、最低血圧80以下の非喫煙優良体でも保険料総額は186万円となりますので、保険料総額は団信より48万円高くなります。
186万円-138万円=48万円
団信はローン契約者に万が一のことがあった場合、それ以降のローン残高を一括で肩代わりしてくれるものですので、上記の毎月10万円の所得保障とは厳密には異なります。
そこで、条件をできるだけ近づけて
B保険会社の所得保障でまとめて保険料を受け取る場合をみてみると・・
契約時点で約3,400万円(40歳時点で約2,900万円)の保険金をまとめて受け取り
月払い保険料 4,322円
保険料35年総額 約182万円
少し安くなりましたが、まだ団信に軍配が上がります。
団体信用生命保険と民間保険の比較のまとめ
上記のシュミレーションの検証から平成29年10月1日以後に新機構団信になってから、団信の保険料はかなり下がったと言えます。
ただし、上記のシュミレーションはすべての民間保険会社を網羅しているわけではありませんし、今後の保険サービスの見直しなどで状況が変わる可能性がありますので、新しい情報は敏感に取り入れましょう。
また,保険料だけではなくどのような特約が付帯できるのか、なども見逃せない点ですので総合的に判断する必要があります。
団信にオプションで付ける「三大疾病保障」についても下記の記事で解説していますのでご覧ください。
住宅ローンに三大疾病保障をつける必要性はどれくらい?見落としがちな注意点も
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