2024年の住宅ローン減税のポイント

住宅取得の支援制度である住宅ローン減税制度とは、借入金額の年末残高の0.7%分、所得税が減税される制度です。
住宅ローンの年末残高 × 0.7% が1年分の減税となります。
3,000万円の年末残高だとすると
3,000万円×0.7% =21万円が1年分の減税となります。
控除率は2021年末の1%から0.7%に引き下げられましたが、控除期間は10年から13年に延長されました。
2024年以降はさらに変更がありますので、今年中に住宅を買うのか、来年以降に買うのか迷っている方は参考にしてください。
来年の住宅ローン減税制度の改正ポイント

新築住宅に関しては2024年を境目に借入限度額が引き下げられます。
これは「減税額が減る」ことを意味します。
性能が高い住宅ほど、借入限度額が多く減税もたくさん受けられるのですが、2024年・2025年はすべての種類の新築住宅で減税額は減ります。
その中でも特に改正の影響が大きいのが赤枠で囲った2024年以降の「その他の住宅」です。
「その他の住宅」とは省エネ基準などを満たさない一般的な住宅です。
最近の住宅の8割ほどは省エネ基準などを満たしているので、残りおよそ2割の新築住宅ということになります。
「その他の住宅」の場合、2024年以降の借入限度額は0となってしまいます。
つまり住宅ローン減税は受けられないということになります。
例外として、2023年のうちに新築の建築確認を受けた場合は2,000万円の限度額まで住宅ローン減税を受けられます。
2024年の完成が難しくても、何とか2023年のうちに建築確認申請まではこぎつけることができれば滑り込みセーフ。
ただし、2024年以降の入居の場合は減税期間が13年⇒10年になってしまいますのでここは注意です。
ギリギリのスケジュールになりそうな場合は、住宅会社などとよく打ち合わせをした方が良いですね。
自分の想定では間に合うはずが、実際の現場レベルでは難しいという場合もありますので。
コロナや国際情勢などの影響もあり、部材が現場に届くのが遅れ、工事日程に遅れが出ているという話もちらほら聞きました。
最近は、部材調達の遅れも解消されつつあると思いますが、確認しておくほうが安心です。
既存住宅(中古住宅)の住宅ローン減税は変化無し
新築住宅の住宅ローン減税が縮小傾向にある一方、中古住宅は変化がありません。
新築と中古の「その他の住宅」を2024年以降の住宅ローン減税で比較すると
- 新築「その他の住宅」は借入限度額ゼロ
- 中古住宅「その他の住宅」は借入限度額2,000万円
中古住宅「その他の住宅」のほうが減税面ではかなり優位になってきます。
減税の有無だけで、新築か中古を決めることはないかと思いますが、新築か中古か迷っている場合は一つの判断基準になってきそうです。
まとめ
2024年の住宅ローン減税のポイントは
- 新築の減税幅は縮小傾向
- 特に新築の「その他の住宅」の場合、借入限度額は0となり、住宅ローン減税が受けられなくなる。(2023年に建築確認を受けた場合をのぞく)
ということでした。
新築の場合は省エネ住宅がこれからは標準になり、税金の面でも優遇される方向性です。
省エネ住宅の基準を満たしているのかが見極めのポイントとなってきます。
新築住宅選ぶときは価格やデザインだけでなく、減税を受けられる性能を満たしているかもしっかりと確認しましょう。
投稿者プロフィール

- 住宅不動産コンサルタント/1級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引士
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株式会社ライフオブライフ代表。
住宅相談を専門とする住宅不動産業界歴26年のファイナンシャルプランナー。買う方の立場に立った「住宅コンサルティング」「将来家計のサポート」を行う
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