中古住宅で住宅ローン控除を受ける方法
住宅ローン控除を受けられる中古住宅の条件
中古住宅の場合は以下の2つの条件のうち、いずれかを満たす必要があります。
(1)築年数が以下の規定の年数以内であること
- 耐火建築物(鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートなど)の場合:築25年以内
- 耐火建築物以外(木造など)の場合:築20年以内
(2)耐震レベルが一定の基準をクリアした建物(下記のいずれか1つを満たせばOK)
- 耐震基準適合証明書を取得する
- 住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得する
- 既存住宅売買瑕疵保険に加入する
つまり・・
(1)の条件を満たすかどうかは、構造と築年数で判断されます。
(1)の条件を満たさない場合・・
- 築25年より古い鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートの建物
- 築20年より古い木造の建物
であっても、耐震レベルが一定の基準をクリアした建物であることを(2)で証明できれば、住宅ローン控除は受けられます。
それでは、(2)のそれぞれの方法について見ていきましょう。
耐震適合証明書を取得する
耐震基準適合証明書は、建物が耐震基準を満たしていることを証明する書類です。
指定性能評価機関や、建築士事務所登録を行っている事務所に所属する建築士が発行できます。
費用は7万円~のようですが、指定機関、建築士事務所によって金額は変わりますので、よく検討したほうが良さそうです。
住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得する
住宅性能評価書は「住宅性能表示制度」に基づいて、国土交通省の登録を受けた第三者機関から発行されます。
住宅性能表示制度は住宅の性能を表示する基準は10項目で、それぞれが更に細かい項目に分かれており、住宅取得者が比較検討しやすいように、等級や数値が示されています。
建物の点数表のイメージが一番近いでしょう。
また、トラブルが起こった時は指定住宅紛争処理機関(各地の弁護士会)に紛争処理の申請ができます。
申請料は1万円です。
既存住宅売買瑕疵保険
既存住宅売買瑕疵保険は、中古住宅の検査と保証がセットになった保険制度で、
住宅専門の保険会社(住宅瑕疵担保責任保険法人)が保険を引き受けます。
既存住宅売買瑕疵保険に加入するためには、住宅の基本的な性能について、専門の建築士による検査に合格することが必要なので、一定の性能が確認された住宅の取得が可能となります。
後日、売買された中古住宅に欠陥が見つかった場合は、補修費用等の保険金が事業者(事業者が倒産等の場合は買主)に支払われます。
注意点:1981年(昭和56年)5月以前のいわゆる「旧耐震基準」の中古住宅は原則、保険引受が不可となります。
また、保険期間は
売主が宅建業者の場合:5年間または2年間
個人間売買の場合:5年間または1年間
となります。
料金は、保険期間、保険金額、特約、床面積、構造などによって異なります。
一戸建てだと、4万円~8万円ぐらいに収まるでしょう。(宅建業者売主型の場合)
個別の住宅の条件によって金額は変わりますので、事前に見積書を作成してもらったほうが良いです。
その他の主な条件
- 借入金の償還期間が10年以上であること
- 合計所得金額が3,000万円以下であること(3,000万円を超える年は住宅ローン控除が利用できない)
- 増改築等の場合、工事費が100万円以上であること
- 自ら居住すること。
- 床面積が50㎡以上であること。
まとめ
「耐震適合証明書」、「住宅性能評価書」、「既存住宅瑕疵保険」
これらの制度を利用することで、
- 築25年より古い鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリートの建物
- 築20年より古い木造の建物
でも住宅ローン控除を受けられる可能性は高まります。
ただし、中古住宅の売買の現場において、これらの制度の導入が一般的に行われている状況とはいえません。
実際の取引現場においては、売主・買主のどちらが費用負担をするのかということも検討するべき点です。
費用対効果の検証も必要ですが、住宅を買う方にとって、住宅ローン控除を受けるための制度というだけではなく、今後住み続けるのに安心な住宅なのかを判断する一つの材料になるでしょう。
住宅ローン控除とは何か?については、こちらの記事を参考にしてください。
投稿者プロフィール
最近の投稿
住宅予算安心診断
・どのぐらいの金額の住宅ローンなら組んでも大丈夫?
・子供の教育費は大丈夫?
・自己資金はどのくらい用意するべき?
無理のない住宅ローンかどうか判断できると同時に家計の見直しもできます。