住宅ローンは年収の何倍までなら大丈夫?適正な住宅ローン金額を知る方法

相談者

住宅ローンは年収の何倍まで借りても大丈夫なのでしょうか?

相談者の方からこのような質問は実際によくいただきます。

一般的には「年収の5倍まで」という言葉を良く目にするのではないでしょうか。

しかし、いままで多くの家計を実際に見た経験からいうと「年収の5倍まで」を信じて住宅ローンを借りてしまうと危ないなと感じるケースもあります。

結論からいうと「年収の○○倍まで」というのは、一つの目安であって絶対的な基準ではないということです。

この記事では

  • 「年収の○○倍まで」をそのまま信じてはいけない理由
  • 「借りても大丈夫な住宅ローン金額」を知る方法

についてご紹介します。

これから住宅ローンを借りようと思っている方はぜひお読みください。

「年収の5倍まで」を信じてはいけない理由

Aさん、Bさんの家計の事例で見てみましょう。

共働きで世帯年収は同じ1,000万円です。

 Aさん(世帯主)Bさん(世帯主)
世帯年収1000万円1000万円
年齢30歳42歳
家族構成配偶者のみ配偶者と子供3人
預貯金などの資産800万円1000万円
基本生活費月々15万円月々35万円
退職金1000万円500万円

「年収の5倍まで」を信じるとすると2家族とも5,000万円まで住宅ローンを借りても大丈夫ということになりますよね。

ところが・・

2家族を比較すると同じなのは「世帯年収」だけで年齢も、貯蓄も、家族構成も、月々の生活費もすべて異なります。

人によってお金の使い方は違うので「月々の生活費」は意外と差があります。

「月々の生活費」が5万円違えば、1年間で60万円の差が生まれます。

30年間では、1,800万円の差に!

「月々の生活費」は「支出」になります。

「世帯年収」が同じでも「支出」が違えば、貯蓄できる金額に差が出ることはいうまでもありません。

同じ世帯年収1,000万円の家計でも中身をみると千差万別なのです。

人によって差が出るのは、「月々の生活費」だけではなく

  • 子供の教育費はどれだけ必要なのか?
  • いくらの車を何年ごとに買い替えるか?
  • 将来もらえる年金はいくらなのか?
  • 将来の年収増加、減少の見込みは?

こんなことも人によって条件は違うはずですので、また差が生まれます。

条件が違う家計を「今の年収だけ」で判断してはいけないことが分かります。

一つの決まった型に当てはまる家族や家計はありませんので、「今の年収だけ」で借りても大丈夫な住宅ローン金額は分からないのです。

借りても大丈夫な住宅ローン金額を知る方法

借りても大丈夫な住宅ローン金額を知る方法は、一生の収入と支出による「将来にわたる家計のシュミレーションを行う」ことです。(支出には住宅ローンの返済も含まれます。)

これは「ライフプラン」といいます。

下の図は「ライフプラン」の中の資料の一部です。

実際はもっと細かい項目に分かれているのですが、分かりやすさ重視で簡略化しています。

<現在30歳の人が90歳までのライフプランを作ったケース>

 30歳31歳・・90歳
収入合計(A)10001100・・
支出合計(B)6001200・・
年間収支(A-B)100△100・・
金融資産残高800700・・

単位:万円

1年ごとに収支(A-B)を計算すると、年末に残っている金融資産残高(貯金など)が分かります。

金融資産残高が0になってしまうと貯金が0になってしまうことを意味します。

シュミレーションで貯金0になってしまっても落胆する必要はありません。

0にならないように家計を改善すれば良いのです。

シュミレーションは家計をより良く改善するためのポイントを見つけるためのものですので、「改善ポイントが見つかって良かった!」と思っていただいて良いと思います。

90歳ぐらいまで、一度も金融資産残高が0にならない結果が出れば一安心でしょう。

「人生100年時代」ともいわれますから、場合によっては100歳までシュミレーションしても良いと思います。

現実の人生は一度きりですが、シュミレーションであれば何度でも失敗できます。

失敗パターンを多く経験すればするほど、成功パターンに近づけるといえます。

ぜひたくさんの失敗をシュミレーションで経験して、自分だけの成功パターンを見つけてください。

投稿者プロフィール

鬼頭 良行
鬼頭 良行住宅不動産コンサルタント/1級ファイナンシャルプランニング技能士/宅地建物取引士
株式会社ライフオブライフ代表。
住宅相談を専門とする住宅不動産業界歴19年のファイナンシャルプランナー。買う方の立場に立った「住宅コンサルティング」「将来家計のサポート」を行う

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